電動キックボード15km/h以下なら免許不要へ モビリティ「速度で3分類」警察庁案

警察庁の有識者委員会が、電動キックボードなどの新モビリティや、無人自律走行ロボットなどの交通ルールについて指針を取りまとめました。現行の交通ルールに当てはめづらい新たなモビリティが普及した世の中の将来像が、ようやく見えてきました。

「ペダル付き電動バイク」結論はお預け

 一方、今回の中間報告で、結論が出なかったもののひとつが、ペダル付き電動バイクなど「状態が変化するモビリティ」の取り扱いです。

 自転車モードとバイクモード、あるいは電動アシストモードを相互に切り替えられる機種は、現状では自転車モードであっても原付扱いです。すなわち運転免許とヘルメット着用が必要で、車道しか走行できません。一部のメーカーからは、自転車モードであれば自転車と認めてほしいという要望が寄せられていました。

 これについて有識者委員からは、「基本的に類型間の切替えは認めてよいと考えられるが、歩道において徐行速度を厳守させるようなシステムやメカニズム等が必要」「どのモードで走行しているのかが、周囲の人にも明らかに分からなければ非常に危険」といった意見が出ています。

 このことも含め、中間報告で今後の主な検討課題として挙げられているのは、次のようなポイントです。

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ペダル付き電動バイクの例。glafit「GFR-01」(中島洋平撮影)。

●歩道通行車、小型低速車

・歩道通行車の最高速度を10km/hまで引き上げても安全か。

・小型低速車利用者への交通安全教育の在り方。

・小型低速車のヘルメットは、自転車も含め、努力義務としてよいか。

●状態が変化するモビリティ

・最高速度の設定と連動してどのような表示を行えばよいか。

・ペダル付原動機付自転車についてはどう扱うべきか。

●自動歩道通行車

・通行場所について、制限の必要性、制限方法。

・車体の安全性について、担保する内容とその方法。

・走行させる主体について、どのように事前に把握すべきか。

 中間報告は、「今回整理された基本的な考え方に沿って議論を深めるとともに、自転車のような既存のモビリティとの関係についても考慮しつつ、多様な交通主体が存在する交通社会に在るべき交通ルール等について、検討を行ってまいりたい」と結ばれています。

【了】

【写真】「法律上の扱いを一瞬で変える装置」搭載の電動バイク

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