出土した150年前の線路「高輪築堤」当時を感じられる形で一部保存に 高ゲ駅前に移築も

明治5年に開業した「日本初の鉄道」の線路です。

信号機土台部などは高輪ゲートウェイ駅前へ

「日本初の鉄道」の線路として、明治初期に建設された「高輪築堤」。JR東日本が進めている品川開発プロジェクトエリア内で出土したこの築堤について、同社は2021年4月21日(水)、今後の基本方針を発表しました。

・橋梁部を含む約80mは、150年前に日本初の鉄道として建設された当時の風景をそのまま感じられるよう公開。

・公園隣接部の約40mは、文化創造施設と一体的に公開することで、築堤を身近に感じられるようにする。

・信号機土台部を含む約30mは、高輪ゲートウェイ駅前の国道15号沿いの広場を基本に、移築の調整を進める。

・記録保存する箇所については、詳細かつ慎重に進める。

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出土した橋梁部(画像:JR東日本)。

 考古学、鉄道史などの有識者で構成された高輪築堤調査・保存等検討委員会によって取りまとめられた調査・保存方針を受けた内容で、JR東日本は、品川開発プロジェクトエリアの建物計画を一部変更。2024年度のまち開きに向け、必要な都市計画などの変更手続きを関係行政と連携して進めるとのこと。

 そして「まちづくりの中で、150年前に構築された高輪築堤の価値を次世代に継承することで、地域の歴史価値向上、地域社会への貢献とともに新しいまちの価値向上を目指す」としています。

 出土した高輪築堤はその歴史的価値から、日本考古学協会から全面保存を求める声もあがっていました。

【了】

【イメージ画像】明治の風景を感じられるように保存の高輪築堤&高ゲ駅前レトロ信号機

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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