【空から撮った鉄道】「高輪築堤」のその後 3ヶ月後に撮影した姿
2020年12月に「高輪築堤」の記事をUPしました。その後は発掘作業が進行し、3ヶ月後の2021年3月末に空撮した際は、信号機土台や山側の石垣など、より一層築堤の姿が明るみになっていました。3ヶ月後のリポートです。
この記事の目次
・注目を集める「高輪築堤」
・海側と山側では石の積み方が異なる
【画像枚数】全33枚
注目を集める「高輪築堤」
2020年に出土した「高輪築堤」は、いまや全国の注目の的となっています。学術教育関係、議員、マスコミ、抽選による一般公募など現地視察が実施され、出土した鉄道遺構としてはかなりの注目度です。私も常々気になっており、ここは定期的に空撮することにしています。
またこの記事を執筆中、JR東日本のプレス発表(https://www.jreast.co.jp/press/2021/20210421_ho01.pdf)があり、新たに出土した信号機土台箇所は移築保存、第7橋梁部分の80メートルと、再開発後に公園となる箇所に出土した築堤部分の40メートルは現地保存され、その他の箇所は記録保存(写真や図面などで詳細を記録したあと解体して再開発)、調査せずに土で再埋没とのことです。これはまだ最終決定ではないですが、かなり具体的な内容となっています。
前回の記事は2020年12月19日に掲載しました(【空から撮った鉄道】令和になって現れた日本初の鉄道の遺構「高輪築堤」)。それから3ヶ月後の2021年3月30日、再び現地を空撮しました。毎月ではなく3ヶ月ごとのほうが、発掘状況がわかりやすいと思ったからです。余談ですが、この空撮は誰に頼まれたわけではなく自主的なので、前回掲載の東京の桜と抱き合わせ、同じ日に空撮しました。
「高輪築堤」はそこそこの頻度で報道されており、発掘状況や今後の保存のあり方など、我々の耳にも入ってきます。最新の報道では、第7橋梁橋台部を中心とした一部分を現地保存し、それに伴って再開発の設計を変更するなどで、300~400億円の再開発費用が追加されるとのことです。
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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。