電車内で耳にする「英語アナウンス」何て言ってる? 「融合してコンティニュー」とは

たまに耳にする英語案内、実はこんな内容だった

●レア度2
・「この列車には優先座席があります」
There are priority seats in most cars. Please offer your seat to those who may need it.
【訳】優先座席が、多くの車両にはあります。あなたの席を、それを必要かもしれない人へ提供してください。
※「most」はこの場合「たいていの」という意味で使われます。「those who~」は「~する人たち」という意味で、最後のitは「your seat」を指します。

・「この先、揺れます」
We will be changing to another track. If you are standing, please hold on to the hand strap or rail.
【訳】(私達は)別の線路へ移ります。もしあなたが立っていたら、つり革か手すりに掴まってください。
※日本語と英語で表現が全く違うパターンで、英語放送では「転線」という、電車が揺れる具体的な理由が述べられます。「hand rail」はエスカレーターやバスの手すりなどで一般的に用いられ、海外の鉄道やバスの車内放送でもよく耳にする表現です。「rail」だけなのは、「hand」を2回言うのを避けたのでしょうか。

・「急停車する場合があります」
It may be necessary for the train to stop suddenly to prevent an accident, so please be careful.
【訳】事故を防ぐために列車が急に止まる必要があるかもしれません。ですので、気をつけてください。
※英文法でおなじみの「it構文」です。こちらは先述の転線時とは違い、「気をつけて」という表現になっています。日本語のニュアンスにするには、後ろから訳していくのがポイントになります。

●レア度3
●レア度3
・「〇〇線直通の、△△行きです」
This train will merge and continue traveling as express on the Hanzomon line and the Tobu line to Kuki.(東急)
【訳】この列車は融合し、半蔵門線および東武線で急行として、久喜まで運転を続けます。
※東急で使われる、独特の表現です。mergeは自動詞で「融合する、合併する」を表します。企業合併の「M&A」のMはこの頭文字です。continue ~ingで「~し続ける」を意味します。直通運転の案内の表現は、会社によって「via~」(~経由)を用いる場合もあります。
ちなみに、りんかい線・埼京線・川越線を直通運転する列車の放送はより簡略で、川越行きはりんかい線内で「This is the JR Saikyo line」、新木場行きは川越線内で「This is the RInkai line」と放送されます。
なお、行き先を案内する場合、通常は「bound for~」の表現が多く用いられます。

Please change here for the Shonan-Shinjuku line, the Saikyo line, through service to Sotetsu line, ….(JR山手線・大崎駅)
【訳】湘南新宿ライン、埼京線、相鉄線への直通運転(の列車)、…は乗り換えです。
「直通運転」にthrough serviceという表現を使っています。

●レア度10
・「緊急停止します」
Attention please, the emergency brake has been applied.
【訳】ご注意ください。緊急ブレーキが用いられました。
※ブレーキがかかったままなので、「has been applied」と現在完了形になっているのがポイントです。
できるだけ耳にしたくない放送ですが、万一の際にも外国人向けの案内が準備されています。

* * *

 英語での表現をある程度知っておくことで、鉄道を利用する外国人を案内する際、助けになるかもしれません。

【了】

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コメント

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3件のコメント

  1. 「融合してコンティニュー」と発音しているわけではないんですね。
    紛らわしい。

  2. これは放送にはないですかね、 
    Watch your step!

    terminal が不吉だといいがかりをつけていた人がいたので、じゃあ何と言ったら良いのかと思っていたら、別の国で 
    We are alivivg at the final station, Seoul.

    というのを聞きました(結構前のことなので今はなんと言っているか知りません)。

  3. 車にも電車にも、タイヤや車輪はいくつもついていますから、乗り物についている停止装置は、ブレーキではなくbrakesになります。エマージェンシーブレークスと言っているはずです。