エアバス 80年前の4発旅客機フォッケウルフ「Fw200」の復元完了 ベルリンで展示

作業開始から復元完了まで20年近くかかりました。

来日したことある4発エンジン旅客機

 ヨーロッパの航空機メーカー、エアバスは2021年5月27日(木)、ドイツの首都ベルリンにあるドイツ技術博物館において、修復中であったフォッケウルフFw200「コンドル」旅客機が完成し、展示を開始したと発表しました。

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復元が終了し、ドイツ技術博物館に展示されたフォッケウルフFw200旅客機(画像:エアバス)。

 復元されたFw200は、1981(昭和56)年にノルウェー中部の都市トロンハイム近郊のフィヨルドの中で発見された機体です。第2次世界大戦中の1942(昭和17)年2月にトラブルで不時着水し、以降、水深60m以上の深いところにあったそう。

 ルフトハンザドイツ航空の技術チームがノルウェーの博物館にあるJu-52輸送機を修復する見返りとして回収する権利を取得し、1999(平成11)年に引き揚げ、ドイツ国内へ移送しました。

 その後、ドイツ技術博物館、ルフトハンザドイツ航空、エアバス・オペレーションズ・ブレーメン、ロールス・ロイス・ドイツの4団体によるプロジェクトパートナーシップが形成され、2001(平成13)年より修復作業が本格的にスタート。

 上記4団体から専門家とボランティア合わせて約80人が4つの場所に分かれて作業を行い、このたび、ドイツ技術博物館で完成したとのことです。

 復元機は飛ぶことはできないものの、ドイツの貴重な技術遺産として、ベルリンのドイツ技術博物館で保存展示されるとしています。

 ちなみにFw200は、第2次世界大戦前の1938年11月に来日しています。飛行距離の世界記録を更新しようと、ベルリン~東京間の約1万4300kmの長距離飛行を行ったもので、バスラ(イラク)、カラチ(パキスタン)、ハノイ(ベトナム)で給油し、約48時間で東京に着きました。

【了】

【写真】緻密に再現されたFw200のコックピット

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