なぜ? 「ハワイ経由で最期の地へ向かう旅客機」増加中 極北アンカレッジ経由から変化 ANA
新型コロナの影響により、国内航空会社で増える旅客機の早期退役。この退役フェリーフライトにも変化が生じています。これまで極北アンカレッジ経由だったのが、ハワイ・ホノルル経由になっているのです。
色々メリットある「ホノルル経由で眠りの地へ」
ANAによると、ホノルルとアンカレッジ、ふたつの経由地では、次のような違いがあるといいます。
「(2地点を比べると)燃料価格とグランドハンドリング(航空機の地上支援)費用の違いがあり、現時点ではいずれもホノルルの方が安価です。それに加えて冬場のアンカレッジは防除氷の対応などが必要となった場合には追加料金が発生します」(ANA)
そして、フェリーフライトでホノルルを使うメリットは、コストの面だけではありません。「アンカレッジの冬期運航を回避する目的」もあるとも。「降雪や積雪に伴う運航制限によりスムーズな空輸実施に影響を及ぼす可能性があることから、冬場のアンカレッジは避けたいと考えているため、可能であればホノルルを経由地としたいと考えています。ただし、機材条件により必ずしもホノルルを経由できるとは限らないため、状況に応じて最適な判断をしています」(ANA)
現地の様子は「2空港も通関業務などの点は大きな違いはありません」といいます。ただ「ホノルルは定期便が運航している『オンライン空港』いうこともあり、現地空港所の協力もあるため、対応しやすい」ともしています。
なお、2021年現在のANAでは、最終目的地で通関できない場合など経由が必要なケースでは、アンカレッジとホノルルの2空港を経由地としています。最終目的地にて通関が可能、かつ機体条件としても直行可能な場合は、経由せずに直行させることを最優先に検討するとのことです。
ちなみに2021年4月から5月にANAで実施された退役フェリーフライトは、ボーイング777-300ERの「JA731A」「JA777A」「JA781A」「JA778A」「JA736A」の5機がホノルル経由、ボーイング737-700の「JA04AN」「JA02AN」がアンカレッジ経由となっています。
【了】
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