中部空港に滑走路もう1本→発着数1.2倍…なぜ2倍にならない? 管制官からみるカラクリ
中部空港に新滑走路を建設する候補地を含む海域の埋め立てを承認され、滑走路が2本になると報じられました。ただし発着数は「1.2倍」。なぜ滑走路2本で単順に2倍にならないのでしょうか。航空管制のルールから、それを紐ときます。
滑走路2本に増えるのに1.2倍?
中部空港に新滑走路が建設される見込みです。愛知県が中部空港の新滑走路建設候補地を含む海域の埋め立てを承認したと、2021年5月26日付の読売新聞オンラインなどが報じました。
これにより中部国際空港の発着能力が現在の”1.2倍“に増えると見込まれています。 新たに滑走路が2本に増えれば、2倍の処理能力となりそうなものですが、同記事によれば「航空機の発着能力を現在の年間15万回から1.2倍の18万回に増やすもの」とあります。なぜ倍増ではなく1.2倍にしかならないのでしょうか。航空管制のルールから紐解いてみます。
これを解くカギは滑走路のレイアウトにあります。航空管制官はレーダーを用いて、上空を飛行する航空機間に一定間隔を保っています。レーダーに映るターゲットの点と点に、一定の高度差がないとき、航空機どうしを3マイル(5.5km)以内に近づけてはいけない、というのが大原則のルールです。
ただ、このルールは特定の条件下で6マイル(約11.1km)に拡大することもあれば、2マイル(約3.7km)に短縮されることもあります。また、羽田空港や成田空港などで行われている同時平行進入、同時平行出発と呼ばれる飛行方式の適用中は、2機の飛行機が真横に並んで飛行しても問題ありません。
決定したのは土砂処分場用地の建設であって、30年かけて埋め立てた後どうするかは未定。
滑走路増設が決定したかのようなミスリードを誘う書き方は悪質と言わざるを得ない。
700フィート(210m)
2500フィート(760m)
こんなんで元管制官...ワラわせる!
そのくらいの能力増強効果しかないのだったら、航空需要が減退している今、作らない方が吉かもわかりませんね。