遭遇率0.03%!飛行機の「離陸後急停止」 遭遇機はその後どう動く? 管制官の視点から

飛行機はごくまれに、離陸滑走を開始したのちに、急停止することがあります。この機はその後、どうなるのでしょうか。確率にして0.03%の事態に遭遇した機体の「その後」を、航空管制官の立場から見ていきます。

機によって異なる次の行動 どんなものが?

 最も幸運な場合は、たとえばフラップ角の調整、飛行管理装置の入力修正のような、離陸を再トライしても安全を担保できるようなトラブルであるとパイロットが判断し、かつ滑走路が空いている場合です。このときには、数十秒待った後にもう一度離陸を開始できます。

 ただ大きな空港のケースではたいてい、管制官は「Taxi via runway due to traffic」、日本語でいえば「交通状況により、(離脱に向け)滑走路を走行してください」と当該機に伝えることになります。

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羽田空港の管制塔(乗りものニュース編集部撮影)。

 これはつまり、「早く滑走路を出よ」の指示。到着機が迫ってきているケースはもちろんのこと、当該機の後続には大勢の航空機が待っているので、居座らせるわけにはいかないからです。また、即時の離陸再開が可能だとしても、いったん滑走路を出た上、離陸を待つ飛行機の列の最後尾に回されることもあります。これは他機との公平性を確保するためです。

 そしてパイロットや航空管制官にとって、厳しい対応が迫られるのは、高速の状態からの急停止です。ここの高速とは80kt(約140km/h)以上を指します。この速度から止まるとなるとタイヤが高熱で動けなくなることもありますし、オイルが漏れたり部品が落下したりすれば、滑走路を閉鎖して消防車や滑走路点検の車両を出動させることも考えられます。

 離陸継続の最後の判断となる速度のV1付近で急停止したとなれば、軽微なRTOのときとは打って変わって真逆の対応を取ります。航空管制官は状況を聞くまでもなく、到着機がいようものなら迷わずゴーアラウンド(着陸復行)を指示します。後続の出発機は他の滑走路に誘導し、当該機が通る道を塞いでいる飛行機を動かす指示まで出します。緊急度合いが高いときほど、当該機以外のパイロットも静かに管制官の指示を待つものです。RTOにおいては、その緊急性があがればあがるほど、周辺の旅客機や関係者、そして管制官の「チーム力」が高まり、危機を乗り越えていく、ともいえるでしょう。

【了】

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