「ランドクルーザー」進化の裏に自衛隊 三菱に2度敗けたトヨタ 知られざる「戦い」の歴史

ランクルvs三菱ジープ 再び!

 では、1951(昭和26)年に三菱ジープ(1/4tトラック)が制式化されて以降、ランドクルーザーが自衛隊に制式採用される機会はなかったのかというと、そうではありませんでした。

 実は1970年代に、再びランドクルーザーは、自衛隊の4輪駆動車のトライアルで三菱ジープに戦いを挑んでいます。

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海上自衛隊が使用するランドクルーザープラド(柘植優介撮影)。

 1971(昭和46)年、防衛庁(当時)は、既存の1/4tトラックの後継として、より積載量の大きい1/2tトラックを導入しようと計画。その際に三菱ジープの新型とともにランドクルーザー40系を比較・試験しています。

 ランドクルーザー40系は1960(昭和35)年1月に登場し、1984(昭和59)年まで四半世紀にわたって国内販売され続けたロングセラーモデルです。

 このとき、防衛庁は、積載量の増大とともに、エンジンのディーゼル化も図ろうとしており、三菱、トヨタともにディーゼル搭載モデルを製作し、トライアルに挑んでいました。

 比較の結果、防衛庁(当時)は三菱ジープの改良型を採用することに決めたため、再びランドクルーザーは敗れたものの、もしこのときにトヨタ車が採用を勝ち取っていたら、そのあとの自衛隊の小型4輪駆動車を含む、国産4WD車両の流れは違うものになっていたかもしれません。

 ちなみに、ディーゼルエンジンを搭載したミドルホイールベース型の三菱ジープが「73式小型トラック」として採用された1973(昭和48)年、トヨタはランドクルーザー史上初のディーゼル仕様として、HJ45を発売しています。

【了】

【その名も「トヨタジープ」】ランクル原初の姿

Writer: 柘植優介(乗りものライター)

子供のころから乗り物全般が好きで、車やバイクはもちろんのこと、鉄道や船、飛行機、はたまたロケットにいたるまですべてを愛す。とうぜんミリタリーも大好き。一時は自転車やランニングシューズにもはまっていた。

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コメント

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1件のコメント

  1. トヨタのジープの起源がバンタム製ジープをトヨタ自動車にリバースエンジニアリングさせて製作した四式小型貨物車だろ?
    それを旧軍に納入したら、”ジープみたいな車両が欲しいとは言ったが、ジープをそのままパクって納入しろとは言ってない。”と言われたとも、言われなかったともという伝説がある車だもんな。
    もっとも現代でも”ハムビーみたいな車が欲しい”と言われて作ったのが”高機動車”だったりするけどな。