「アイアンドーム」は鉄壁のバリアか イスラエル防空の要が日本では使えなさそうなワケ

ロケット弾による攻撃の危険に晒され続けるエルサレム、その市街地を守る要が「アイアンドーム」システムです。稼働するさまはまるでSF映画のようですが、実際どういうものなのでしょうか。

「SFのような」現実の防空ミサイル戦

 2021年5月11日を皮切りに、イスラエルのテルアビブをはじめとする主要都市には空襲警報のサイレンが鳴り響き続けました。そのたびに人々はビルの地下室などの防空壕に避難することを強いられますが、空にスマホを向けることも忘れない、良くも悪くも「訓練された市民」です。ビルが立ち並ぶ市街地上空には何条もの対空ミサイルの飛翔煙がのび、花火のような爆煙が空に拡がります。

 交戦状況は動画サイトに投稿され、「現実離れした」「SFのような」と比喩される夜間の映像は幻想的でさえあります。とはいえ上空を飛び交っているのは「実弾」です。

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市街地上空を守るアイアンドームのイメージ。右下が探知・追跡レーダー、左下が指揮管制ユニット、左右上側がミサイルランチャー(画像:ラファエル)。

 同年5月10日に東エルサレムで、パレスチナ人とイスラエルの警官隊が衝突、これをきっかけにパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが、報復としてイスラエルのエルサレム方向にロケット弾を発射しました。約1週間で3000発以上、発射されましたが、市街地に到達したのは1500発、人口密集地に着弾したのは100発以下で、1400発以上はイスラエル軍の防空システムによって迎撃されたといわれます。その防空システムが「アイアンドーム」。近距離を飛翔するロケット弾や砲弾、迫撃砲弾を空中で迎撃するCounter-RAMと呼ばれるカテゴリーの、イスラエル製地対空ミサイルです。

 ハマスは国家組織体ではありません。イスラエルと対立するイランなどの国家から援助を受けているとはいえ、ロケット弾を3000発も用意して発射するのは並大抵ではなく、相当な覚悟と政治的アピールを狙ったことは明らかでした。

 ところが人口密集地に着弾したのは約100発、命中率3%では、とても目的を達したとはいえません。それよりもイスラエルによる空爆など報復攻撃の被害の方が大きく、5月20日には停戦します。もちろん、「アイアンドーム」の果たした役割は小さくありません。

【写真】空を舞うミサイルの軌跡 「アイアンドーム」迎撃の様子

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コメント

2件のコメント

  1. 中長距離ミサイルとロケット弾の迎撃は全く違うので、日本に導入しても使えないと思う。

  2. 最近の近隣諸国のミサイルは必ずしも放物線を描いて落下してくるのではないんじゃないですか