「アイアンドーム」は鉄壁のバリアか イスラエル防空の要が日本では使えなさそうなワケ

「鉄の天井」で都市を守る

「ピストルの弾を別のピストルの弾で撃ち落とそうとするものだ」

 かつて弾道ミサイル防衛に関し、その実効性に疑問視する向きからはこのように揶揄的に言われたものですが、「アイアンドーム」はその弾道ミサイル防衛と同じ発想の、飛んで来る砲弾、ロケット弾などを近距離で迎撃できる地対空ミサイルです。「ピストルの弾を別のピストルの弾で撃ち落とそうとする」ことは可能でした。

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2021年5月の演習でミサイルランチャーから発射されるタミルミサイル(画像:イスラエル国防省)。

「アイアンドーム」は指揮管制ユニット、EL/M-2084探知/追跡レーダー、対空ミサイル「タミル」を装填した20連装ミサイルランチャーによって構成され、各ユニットは牽引やトラック積載で簡単に移動できます。1台の指揮管制ユニットとレーダー、3基から4基のミサイルランチャーで大隊規模の1個編成となり、これを基本単位とし、セキュアワイヤレスでリンクされます。

 2005(平成17)年から開発が始まり2011(平成23)年3月27日に最初の大隊が配備されました。その年の4月7日に早速、ガザ地区から発射されたロケット弾の迎撃に成功、ARMY TECHNOLOGYという軍事情報サイトによると、実戦の命中率は90%とされています。現在イスラエル国内には10個大隊が配備され、15個大隊まで増やされる予定といわれます。1個大隊分の「アイアンドーム」、イスラエルでの調達費用は5000万ドル(約54億円)、タミルミサイルは1発4万ドル(約440万円)となっています。

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EL/M-2084探知/追跡レーダー。トラックに搭載できるようコンパクトに収められている(画像:イスラエル国防省)。

 日本も弾道ミサイル防衛システムとして、イージス艦搭載のスタンダードミサイル、地上配備のPAC3(パトリオットミサイル)を配備しています。この5月の、一連のできごとを受けてか、早速「アイアンドーム」を日本にも、という意見が散見されるようになりました。とはいえ、日本で採用される可能性はほぼありません。

【写真】空を舞うミサイルの軌跡 「アイアンドーム」迎撃の様子

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コメント

2件のコメント

  1. 中長距離ミサイルとロケット弾の迎撃は全く違うので、日本に導入しても使えないと思う。

  2. 最近の近隣諸国のミサイルは必ずしも放物線を描いて落下してくるのではないんじゃないですか