静岡鉄道、戦前生まれの無蓋車を無償譲渡 行先は群馬の廃駅 「展示物」に

「晴れ舞台」へ向かう別れのイベントも!

砕石運搬貨車を譲渡

 静岡鉄道は2021年6月11日(金)、同社の無蓋貨車「トコ1号」を、群馬県中之条町へ無償譲渡すると発表しました。これに伴い同貨車などの展示イベントも行います。

 トコ1号は戦前から1990(平成2)年頃まで、静岡鉄道で砕石運搬貨車として使われていた車両。今回、中之条町が整備を進める「日本一の無蓋車公園」の展示物とすべく、譲渡を依頼し、これに応じました。静岡鉄道長沼車庫からの搬出は7月頃を予定しているといいます。

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静岡鉄道1000形電車に連結されたトコ1号(画像:静岡鉄道)。

 その譲渡先であり、中之条町が整備を進める公園というのが、旧国鉄吾妻線の支線にあった「太子(おおし)駅」(旧六合村)跡です。この支線は長野原(現・長野原草津口)駅から延びていた日本鋼管群馬鉄山の専用線をルーツとし、国鉄編入後は旅客営業も行われ、1971(昭和46)年に廃止されました。

 旧太子駅は、中之条町によって当時のホッパー棟やホーム、駅舎の復元などが行われ、「旧太子駅」として2018年から一般公開されています。中之条町は交流・観光・地域づくりの拠点として「中之条町六合地区産業遺産群」の整備を進め、その一環として旧太子駅で全国の無蓋車を展示しており、静岡鉄道のトコ1号もその一つに加わるというわけです。

 なお静岡鉄道は今回の譲渡に合わせ、7月10日(土)と11日(日)に、長沼車庫で一般参加が可能(静岡県内在住者のみ)な展示イベントを行います。当日は、トコ1号と1000形車両を連結させた珍しい姿で展示するとのこと。合わせて1000形電車の運転体験(有料)も実施されます。

【了】

【静岡から群馬へ譲渡】トコ1号が展示される「旧太子駅」

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