複雑怪奇! 同じ形式なのに4種類 東武鉄道20400型の謎

東武鉄道20400型という車両をご存知でしょうか? 東武日光線の南栗橋から東武日光方面や東武宇都宮線で走っている車両で、地下鉄日比谷線に乗り入れていた車両を改造したものです。20400型は見た目の違いで4種類あります。この違いはなぜ起きたのでしょうか?

この記事の目次

・もともと種類が多い東武20000系列

・20400型への改造

・4種類ある20400型

・見た目が揃った20410番台

・20410番台と20420番台の違い

・元5扉車が先頭に付く20430番台

・中間車に元5扉車が付く20440番台

・改造が進む20400型

・残された車両を譲渡?

【画像枚数】全15枚

もともと種類が多い東武20000系列

 東武鉄道日光線の南栗橋から東武日光方面や東武宇都宮線で走っている20400型電車。かつて営団地下鉄(現・東京メトロ)日比谷線に乗り入れていた車両を改造したものですが、20400型は見た目の違いで4種類あります。いったいなぜ4種類もあるのでしょうか?

Large 20210731 01

拡大画像

20000系列から改造された20040型。写真は20420番台で20000型の先頭車と20070型の中間車を種車としている(2018年7月、伊藤真悟撮影)。

 東武鉄道の20400型は地下鉄日比谷線直通用車両だった20000系列から改造されました。この一族は1988(昭和63)年に登場した20000型をはじめ、1992(平成4)年の登場で5扉車を連結した20050型、1996(平成8)年の登場で全車両が3扉に戻った20070型の3形式がありました。

 20000型は8両編成13本が製造されたほか、20050型は8両編成8本、20070型は8両編成3本が製造されました。合計で24編成ありましたが、これは20000系列の後継車両となる70000型(18本)と70090型(6本)の編成数と同じなのです。

Large 20210731 02

拡大画像

東武スカイツリーラインを走る20000型。20000型は電機子チョッパ制御車のため、20400型への改造に際しては先頭車のみを転用している(2017年7月、草町義和撮影)。

残り4128文字

この続きは有料会員登録をすると読むことができます。

2週間無料で登録する

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

最新記事

コメント