中央線快速電車のE233系「T71編成」 番号の付け方なぜ不揃いに?

答えは「今までの番号の続き」

 先に答えを書いてしまうと、「T71編成」の車号が不揃いになっているのは、今まで造られたE233系の続きで車号が付けられたためです。ここでは、その理由を追ってみます。

 中央線快速電車のE233系は10両貫通編成と分割編成、次いで青梅線・五日市線のE233系の順で車号が割り振られています。中央線快速電車では、富士急行線直通の河口湖行きや八高線直通の高麗川行きが走っていますが、途中で切り離しを行っています。ホームの長さの都合があって、10両編成の長い列車が走ることできません。

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中央線快速電車で使用される6両+4両のE233系分割編成。編成番号には「H」が充てられている(2020年9月18日、伊藤真悟撮影)。

 このため、6両編成と4両編成に分割できる編成が必要となるのですが、河口湖行きや高麗川行きとなる列車は少なく、すべての編成を分割できるように作ってしまうと無駄が出てしまいます。この結果、10両貫通編成と分割編成が存在しているのです。また、青梅線の奥多摩方面や五日市線も最長で6両編成、奥多摩方面の普通列車では4両編成の列車しか走ることができないため、こちらも4両編成と6両編成が使用されています。

 分割編成では、先頭車が加わるのと、4両編成の中間車の設備が異なるために、10号車を除いて番号を振り直しています。一方、6両編成の1号車から5号車までは10両編成の1号車から5号車までと同等の設備となっているために、10両貫通編成の番号が引き継がれています。この結果、番号がずれているのです。また、6両編成の数よりも4両編成の数が少ないため、最後の編成の番号が異なっています。6両編成は28本製造されましたが、4両編成は25本に留まっているのです。

 10両貫通編成の番号を付けてから6両編成と4両編成の番号を付けたものの、「T71編成」では10両貫通編成に戻ってしまったため、車号が不揃いになってしまったのです。

 なお、下2桁が「70」の編成は2017年に青梅線・五日市線から南武線に転属しています。この際、元の番号に「8500」または「8000」を足して南武線用に改められました。南武線のE233系は8000番台に番号が割り振られていますが、8500以降の番号とすることで、既存のE233系8000番台と番号が重複しないように配慮されています。

【写真】壮観! すらり並ぶ各路線のE233系

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  1. ふにゃふにゃ