鼻先どうした!? コックピット2段構え 異形すぎる米空軍機なぜ作られた 実は発展の功労者

原型は民間旅客機のコンベアCV240

 NC-131Hは、本格的なプロトタイプを製作する前に、航空機がどのような挙動を示すか、どのような操縦特性を見せるかを研究するために作られました。

 元になったのはコーネル大学の航空研究所が手掛けていた飛行特性の再現技術で、これにアメリカ空軍が着目、実機へ搭載し、実用化した形です。

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アメリカ空軍のNC-131H(画像:アメリカ空軍)。

 用いられたのは、コンベア社製のC-131「サマリタン」輸送機でした。同機は民間機として開発されたコンベア「CV240」レシプロ双発旅客機を軍用機として転用したもので、高級将校を始めとしたVIP(要人)や戦傷者の空輸などに用いられていました。

 そのうちの1機をベースに、アメリカ空軍の飛行力学研究所(AFFDL)が所要の改造を施す形で1960年代後半に製作したのがNC-131H。なおエンジンは、原型のC-131(CV240)では出力2500馬力のプラット・アンド・ホイットニー製レシプロエンジン「R-2800」を搭載していましたが、近代的かつ強力な4368馬力のアリソン製ターボプロップ・エンジン「T56」に換装されています。

 機首周りの異形さに目が奪われますが、実は左右の主翼の中程に設けられた垂直板とその外側の前縁フラップ、これが飛行特性を再現するのに重要なポイントでした。この部分をコンピューターを介して動かすことで、1機で様々な飛行機の飛び方を再現できるようになっていました。

 その“再現座席”が、機首に突き出た第2のコックピットといえる操縦席だったのです。

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