FDA 夢の「旅客機乗り放題」どんな感じ? 複雑怪奇な「ルート決め」 背景に「FDA流の狙い」
独自性はこれだけじゃない! 背景にあるFDAの狙い
ただ、ここでもFDAのネットワークにおける異色っぷりが発揮されます。たとえば東急エージェンシー公表の国土交通省 「2020年航空輸送統計」をベースにしたデータ『2020年全国空港乗降者数一覧』によると、鹿児島空港は全国9位、年間約258万人が利用している大きな空港ですが、FDA便は静岡~鹿児島線の、わずか1往復のみしかありません。それに対し同データ14位、利用者が約130万人の熊本空港からは、FDA便で静岡、小牧に就航しているほか、経由便で東北地方に行くことができます。
つまり多くの航空会社で当てはまるであろう「大空港だから便が多く出ている」法則が、同社では必ずしも当てはまらないのです。これも、FDAの「乗り放題」の便設定の醍醐味で、かつ同社のネットワークの独自性を、ハッキリと体感できる機会にもなっていたのです。
FDAの広報部は、このネットワークの独自性について次のように説明します。
「FDAでは、都心一極型ではなく、地域ごとの特色を出し、文化や人々の交流をつくっていくということに重点をおいています。必ずしも利便性の高い路線を……というわけではなく、地方同士の路線を結ぶことで、その地域の方々が出張しやすくなり、ビジネスが生まれることもあるのです。またこのことで、地方空港の有効活用ができる、という意味でも意義があると思います。大手さんが飛べないのであれば、FDAがそこを紡ぐ!という考え方は、ずっと一貫してやっています」
なおFDAの「乗り放題プラン」について、今後“復活”するかは未定とのことですが、「今後も楽しんでいただける企画にどんどんチャレンジしていきたいです」と担当者は話します。
【了】
※一部修正しました(7月27日18時30分)。
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