伝説の世界最大最強クラスSL「ビッグボーイ」2年ぶり運行へ デカさはダテじゃない! どんな機関車か
2019年に動態復活したビッグボーイ
ビッグボーイの4014号機は運用終了後、カリフォルニア州の機関車保存団体に寄付されましたが、程度がよく、なおかつ保存団体の維持管理が良好に行われていたため、大陸横断鉄道150周年記念事業の一環として動態保存されることが決まり、ユニオンパシフィック鉄道に返還されました。
修復にあたって同機は、南カリフォルニアからワイオミング州シャイアンに移動、2016(平成28)年から3年がかりで復元作業が行われ、2019年に動態復活を果たします。以来、4014号機はシャイアンをベースにイベントなどで運転されてきました。
ただ、2020年は新型コロナの影響で4014号機が運転されることはありませんでした。そのため、運転は2年ぶりになるといいます。
ユニオンパシフィック鉄道が発表した4014号機の2021年夏のツアー日程によると、8月5日よりおよそ1か月かけて同鉄道の路線でロッキー山脈の東側部分をぐるりと一周するコースが予定されているとのこと。
4014号機は前述のとおり、ワイオミング州シャイアンに配置されていますが、そこからネブラスカ州、カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ルイジアナ州、アーカンソー州、ミズーリ州、コロラド州を巡り再びワイオミング州に戻るというルートで、途中訪れる各都市では公開行事も行われる予定です。
なお、沿道に集まる鉄道愛好家の安全対策はアメリカでも課題となっていて、ユニオンパシフィック鉄道では以下3点の注意事項を掲げて呼び掛けを行っています。
1:線路から少なくとも25フィート(約7.6m)離れること。
2:橋梁や側線も含めて鉄道会社の用地には立ち入らない。
3:使われていないように見える線路も列車が走る場合があるため、廃止路線と考えてはならない。
前出のとおり、昨年は新型コロナの影響で4014号機が運転されることはありませんでした。今年再開が発表された同機の運転計画は、コロナ後の復活が顕著となりつつあるアメリカ経済を象徴しているように筆者(細谷泰正:AOPA-JAPAN理事)には感じられます。
【了】
Writer: 細谷泰正(航空評論家/元AOPA JAPAN理事)
航空評論家、各国の航空行政、航空機研究が専門。日本オーナーパイロット協会(AOPA-JAPAN)元理事
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