ゆっくり走って「あおられた」多数 制限速度でも? 専門家「あおり運転に2タイプ」

あおり運転に「2タイプ」

 交通心理学を専門とする九州大学大学院システム情報科学研究院の志堂寺和則教授は、チューリッヒの調査結果に次のようなコメントを寄せています。

「私はあおり運転には2つのタイプがあると考えています。ひとつは衝動的にあおり運転をしてしまうタイプ(衝動型あおり運転)、もうひとつは邪魔な車を排除するためにあおり運転を道具として使うタイプ(道具型あおり運転)です」

 このうち「衝動型あおり運転」は、追い越しや車線変更をされた際、瞬間的にカッとなって、ついやってしまうあおり運転とのこと。一方の「道具型あおり運転」は、「前を走る車が邪魔で追い越せない時に、追い越したいということを知らせる目的で行うあおり運転」だといいます。

 アンケートで「スピードが遅かった」「制限速度で走っていた」ことが、あおり運転されたきっかけになったと答えた人が少なくないことは、全てイコールとは言えないものの、「道具型あおり運転」が少なくないことを裏付けているといえるかもしれません。

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あおり運転の対象となる10類型の違反には、高速道路における最低速度違反も含まれる。これは相手を妨害する目的でわざとゆっくり走ることを想定している(画像:千葉県警)。

 なお、「あおり運転をされた時にとった対処方法」という項目では、「何もしなかった」と「道を譲った」が大多数を占めました。これについて志堂寺教授は、状況により対処も様々としつつ、「あおってきた相手は興奮していることが多いため、相手を刺激しないように対処することが重要」としています。

 また、「あおり運転をされないように工夫していること」の項目では、「車間距離をしっかり取る」が55.5%を占め、そのほか「急な割込みをしない」「ウインカーは早めに出す」といった回答が続きました。

 志堂寺教授によると、特に車間距離を広く取ることは「あおり運転を受ける危険性がかなり下がるだけでなく、追突事故も減らせる」とのこと。急ブレーキなど後続車に迷惑がかかることを防ぎ、気持ちに余裕を生み、ひいては周囲のドライバーを気遣う運転につながるというわけです。

【了】

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コメント

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2件のコメント

  1. 流れにのらない車(法廷速度守る人)の言い分はルールを守ってるのに何が悪い
    って考えだろうが、流れにのらないのも悪い事
    またそういう奴にかぎって譲ろうともしない。

    そりゃ怒りを買って当然

    特に追い越し車線でそれをやる奴いるけど、法廷速度を守っていようが、追い付かれた車は如何なるスピードで追い付かれようが追い付かれた側は道を譲る法律もあります。

  2. 面倒くさかったら、左に寄って止めてしまっては?