クルマの燃料キャップを開けるときの「プシュー」音の正体 手を止めたほうがいい?
給油の際に燃料キャップを緩めたときにする「プシュー」という音、なぜするのでしょうか。音がおさまらないうちに、キャップを急に開けると、火災の原因にもなりかねません。
音がしなくなってからキャップを開ける
クルマを給油する際に燃料キャップのツマミをひねると、「プシュー」という音がすることがありますが、これは何なのでしょうか。
結論からいうとこれは、タンク内のガソリンが気化した蒸気ガスが外へ出てくるときの音です。燃料キャップを緩めたことで、燃料タンク内部と外部との圧力差が生じ、タンク内部のガスが抜けていくのです。
国産車の取扱説明書にはたいがい、このようなケースは、「プシュー」という音がしなくなってからキャップを取り外すと書かれています。急に開けると、燃料タンク内の圧力が急激に下がり、燃料や蒸発ガスが噴き出す恐れがあるのです。総務省消防庁によると、キャップを開けた際の静電気による火災事例も複数あるといいます。
特に燃料が少なくなったタンク内は、夏場や高速走行後などには高温かつ高圧になるため、このような音が発生しやすくなりますが、そもそも、音がする場合としない場合があるのはなぜでしょうか。
その理由のひとつは、エンジンルーム内の「チャコールキャニスター」と呼ばれる部品にあるかもしれません。高圧となった燃料タンクは爆発する恐れもあるため、給油口とは別に、タンク内の圧力が一定まで高まると、蒸発ガスをタンクの外へ逃がす機構が存在します。このガスをそのまま大気中に放出しては環境に悪影響を与えるので、チャコールキャニスターという部品へ一時的に溜めつつ、エンジンの燃焼に使っています。
ある自動車メーカーの関係者によると、このチャコールキャニスターで取り込みきれなかった蒸発ガスが、燃料キャップが緩んだ際に「プシュー」音とともに外へ出てくるといいます。なお、タンク内の圧力は車種それぞれの基準で一定になるよう調整されているため、「プシュー」音のしやすさも車種ごとに異なるそうです。
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