アフガニスタン退避支援に自衛隊派遣 法的に課題も? 「人道と遵法」どう折り合うのか

法的に人道をまっとうできない場合、人はどのように振るまうのでしょうか。急変したアフガニスタン情勢を受け、日本政府が自衛隊を現地に派遣しましたが、法的には課題のある対応です。どのような点に注目すべきかを解説します。

今回の派遣についての国際法上の根拠は?

 この、「相手国政府の同意が必要」という点に関して、加藤官房長官は国際法の観点から次のように説明しています。

「原則としては同意が必要であるが、アフガニスタンのような例外的な状況において、人道上の観点から緊急的な措置として自国民等を輸送するものであり、仮に明確な同意が得られていないとしても国際法上の問題はない」

 つまり日本政府は、今回のような例外的な状況下では、領域国からの明確な同意が得られていないとしても、自衛隊を派遣することは人道上の緊急的な措置として許容されると整理しているようです。

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航空自衛隊のC-130H輸送機(画像:航空自衛隊)。

 ただし、これだけでは国際法上の根拠が明確に示されたとはいえません。たしかに、自衛隊の派遣は人道上の観点から必要な措置であり、これが国連憲章で禁じられた武力行使にはあたらないとしても、同意なき自衛隊の派遣はアフガニスタンの領域主権を侵害することにはなるため、その点に関する国際法上の説明が求められます。

 たとえば、自国の不可欠の利益に対する急迫した危険が生じた際に、相手国に対する深刻な侵害とならない範囲でそれを保護することが認められる「緊急避難」などに依拠することができる可能性もあるのではないか、と筆者は考えますが、これについては今後の日本政府の説明が待たれるところです。

【写真】2021年8月21日撮影 カブール国際空港の警備の様子

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コメント

1件のコメント

  1. 領域国の同意を得なければいけないと規定されてはいるものの、その「領域」が「国」の態をなしていない有り様なのだから、そもそもこの条文の適用対象ではないようにも思える。

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