【懐かしの私鉄写真】虫食い乗車になった 福島交通軌道線

大学2年生の夏休みに東北均一周遊券利用して東北地方を巡りましたが、その際に半日ほど時間を割いて福島交通軌道線を訪問しました。しかし、台風の影響により一部区間が不通になっていて、そこに軌道線で随一の撮影名所が含まれていたのです。

この記事の目次

・東北均一周遊券での東北旅行の際に訪問
・長岡分岐点での撮影は2枚だけ
・再訪かなわず廃線に

【画像枚数】全16枚

東北均一周遊券での東北旅行の際に訪問

「乗りものニュース」では2019年9月と10月に「均一周遊券を使っての東北旅行」をアップしていますが(【懐かしの国鉄写真】昭和40年夏、均一周遊券を使っての東北旅行(前編)【懐かしの国鉄写真】昭和40年夏、均一周遊券を使っての東北旅行(後編))、そのときに半日ほど時間を割いて福島交通の軌道線を訪問しています。この路線は総延長31.5kmのすべてが単線、街中を走る市街電車的な区間はほんの僅かで、大部分は幅の狭い未舗装の道路の片端にレールが敷かれ、民家の軒先を掠めるようにしながら走っていました。

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軌道線の乗り場は福島駅東口広場に横付けする形になっていた。この部分の線路は複線になっているが、ホームは1面しかない(1965年8月13日、楠居利彦撮影)。

 1965(昭和40)年8月に訪れた時は、途中の瀬上荒町~河原町間が台風の影響で不通になり、前後の区間でバスによる代行運転が行われていました。この区間は「幸橋」という道路と併用の木橋で摺上川を渡っていて、軌道線では外すことができない撮影名所です。

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駅前通りを細面の電車が続行でやってきた。戸袋以外の窓は全開になっている。開業時の狭い道路に合わせたので車体幅は1.7~1.9mしかなく、車輪径が大きい高床式のため、馬面感が強調されている(1965年8月13日、楠居利彦撮影)。
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主力のモハ1100形は21両在籍し、鋼体化の時期などで形態が異なる。ピンリンク式の連結器は貨車を牽引するためで、電車同士の連結運転は行わない(1965年8月13日、楠居利彦撮影)。

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Writer: 楠居利彦(鉄道ライター)

1946年、東京生まれ。中央線の沿線で育ったので、鉄道は複線で電化され、長編成の電車が頻繁に走るものと認識している。鉄道誌の創刊に関わり、車両データ本の編集を担当した。趣味は鉄道模型製作。

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