宇宙でも「コーヒーの味指定」OK!? 宇宙ステーションの「飲み物事情」野口宇宙飛行士に聞く

日本&海外の宇宙飲料事情

――ちなみにコーヒーや紅茶は、個人の好みもあるのでしょうけれど、基本的には全員で共有していて、その中にバリエーションが用意してあって各自好きなものを取るという形ですか。それとも個人持ちでしょうか?

野口:実は最近、変わりました。昔は共有で、個人の好みとは関係なく、「コーヒーの棚はココ、紅茶はココ」という形だったんですけど、このコーヒー・紅茶の共有というのは、いまやなくなっています。好みが非常に細かくなってきて、それに対応できるようになっていますから、自分のコーヒーは自分で持っていく、と。

Large 210923 drink 02

拡大画像

宇宙食のブラックコーヒー。この中身はハワイ・コナのインスタントコーヒーで、お湯で溶いて飲む(画像:JAXA/NASA)。

――進化しているのですね。私の知識は古いままでした。

野口:たとえば半年間でコーヒーを8箱、宇宙ステーションに運んでいたとしましょう。昔はぜんぶ共有でしたが、今は各自が1箱、自分好みのものを選べるというようになっています。私がISSに滞在していた時は半年で7人が同居していましたから、だいたいひとり1箱という計算ですね。以前と運ぶ総量としては変わっていないものの、自分が納得したものを持って行けるようになったのが大きな違いです。たとえば、コーヒー好きといっても皆さん微妙に違いますよね。そこにちゃんと対応できるようになってきています。

――それでは、たとえばミルクのありなしといったオーダーもできるのでしょうか。

野口:そうですね、ミルクのありなし、甘味料では砂糖が良いのか、人工甘味料が良いのか、そんなところまで宇宙に行く前に選べます。

【宇宙で美味しいコーヒーを】ISSのエスプレッソマシン&無重力化専用のカップ「Zero-G Cup」

最新記事

コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。