2021年秋のバス新路線【高速バス】 「鉄道vsバス」各地で勃発か
九州縦断の新路線も登場!
ほかにも高速バスの新路線があります。
秦野丹沢登山号
・運行事業者:ジェイアールバス関東
・運行区間:東京駅八重洲口~秦野丹沢登山口大倉
(9月11日〈土〉運行開始)
東京駅から丹沢の登山口へ直通する新路線です。終点の「秦野丹沢登山口大倉」バス停は“表丹沢”と呼ばれる鍋割山・塔の岳への登山口が近く、「秦野戸川公園」などアウトドアレジャーの拠点が集積していることもあって、週末は「大倉駐車場」などがすぐに満車になる状況が続いています。登山や公園でのアウトドア・アクテビティはコロナ禍の中でも殊更に人気ということもあり、直通でそのまま表丹沢に行ける高速バスがどこまで利用者を伸ばせるか注目されます。
センター北・センター南・新横浜~羽田空港線
・運行事業者:東急バス、京浜急行バス(共同運行)
・運行区間:センター北駅・センター南駅・新横浜駅~羽田空港、新横浜プリンスホテル・新横浜駅~羽田空港
(9月1日〈水〉運行開始)
これまで2社共同で運行されていたセンター南駅・センター北駅~羽田空港線と、京浜急行バス単独だった新横浜~羽田空港線を実質的に統合したもの。どちらも新型コロナウイルスの感染拡大による乗客の減少・減便が続いていました。今回の改正で全便が新横浜駅を経由することで、“セン北・セン南”から成田空港への所要時間は延びるものの、路線維持のためには、やむをえない判断かもしれません。
ブルーライナー鹿屋
・運行事業者:森山観光バス
・運行区間:糸島高校前駅・JR博多駅HEARTSバスステーション~西都城駅前・道の駅野方あらさの・アグリパークかのや
(9月4日〈土〉運行開始)
高速バスブランド「ブルーライナー」の一路線として、鹿児島県第三の都市である鹿屋市をはじめとする大隅地方と、博多エリアを直結する高速バスが初めて設定されました。路線の距離は342km、博多~鹿屋間は最短5時間と、九州内の高速バスでも最長級のルートを走行します。
既存の博多行き高速バスや新幹線が発着している鹿児島市内と錦江湾を隔てた鹿屋市へは、鹿児島からバスがそのまま鴨池・垂水フェリーへ乗船して鹿屋まで行く「大隅半島直行バス」でも2時間かかりました。今回の新路線は宮崎県都城市のほか、高速バス乗り場から遠い鹿児島県大崎町なども経由して、既存の高速バス網から外れた鹿児島・宮崎県境の地域をうまくカバーしています。
【了】
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
コメント