ボーイング「717」のナゾ 命名の法則ガン無視 実は歴史上2機種ある複雑事情

ボーイング社のジェット旅客機といえば「707」から「787」まで、7と7の間の数字が時代を追うごとに増えてきました。ただこの例外が「717」。実は歴史上「717」は2種類あります。

初代の「717」はKC-135

 アメリカの航空機メーカー、ボーイング社のジェット旅客機のモデル名は、「727」「737」「747」のように、1ケタ目、3ケタ目の7は固定されたまま、その間の2ケタ目の数字のみが動きます。この命名は法則があり、1957(昭和32)年に初飛行した同社初のジェット旅客機「707」から、2009(平成21)年初飛行の「787」まで、おおむね“時代を追うごとに増えていく”のです。

 ジェット旅客機に限らず、ボーイング社の製品には全てモデル・ナンバーが割り当てられています。プロペラ旅客機247、307、377をはじめ、船舶のジェットフォイル929というものも。ただ、原則として3桁の数字が割り当てられています。ちなみに、同社のモデル名は300番台がプロペラ旅客機、400、500、600がミサイルなどで使用されているようです。

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ボーイング717(乗りものニュース編集部撮影)。

 ただ、ボーイング社のジェット旅客機の歴史を見ていくと、ひとつのナゾにあたります。モデル・ナンバー「717」です。歴史的には、「707」の次は「717」がすっ飛ばされ「727」「737」の開発が進められました。「ボーイング717」という旅客機が実際に初めて飛んだのは、1998(平成10)年。なんと「777」の初飛行(1994年)のさらにその後ということになります。

 実は「717」、公式的ではないにせよ、歴史上ふたつのモデルが存在します。

 まず、初代の「717」はアメリカ空軍用ジェット輸送機KC-135です。元々このモデルは、707と同時に開発されており、モデル・ナンバー717が社内で割り当てられていたのです。「旧717」ことKC-135系は、旅客機707の前年の1956(昭和31)年に初飛行します。ちなみに、707、KC-135ともに原型機は共通で、1954(昭和29)年に初飛行した「367-80」です。

 一方、777のあとに生まれた現「717」の誕生経緯はかなり複雑です。ちなみにこちらは日本国内ではまず見かけることがありません。

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