コロナ禍、ボート需要が絶好調! マリン業界が「何か新しいこと」の受け皿になれたワケ

学科講習はリモートも ハードル低くなっている船舶免許

 船舶免許のボート・ヨット用は1級と2級に分かれます。大きな違いは操縦できる海域の範囲です。1級免許は無制限ですが、2級免許は海岸から5海里(約9km)という制限があります。

 免許といっても、自動車の運転免許と違い何日も教習所に通う必要はありません。全国のマリーナなどにあるボート免許教室で学科講習・実技講習・国家試験がセットになったコースを選べば、2級の場合は3日で免許が取得できます。教室によってコースは様々ですが、国土交通省から認定を受けた教習所に限られる「国家試験免除」コースなら最短2日、教室によっては学科を自主学習として最短1日コースをうたっているところもあります。

 さらにコロナ禍のご時世ではリモートコースも人気で、2020年、ヤマハボート免許教室の学科講習をオンラインで行う「スマ免」は前年の2倍に増えたそう。コースの選択肢が多いのも、船舶免許取得を後押ししているのかもしれません。

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ヤマハのフィッシングボート「F.A.S.T.23」。2021年10月マイナーチェンジしたばかり(画像:ヤマハ発動機)。

「俺のボート」じゃなくてもいい!

 船舶免許の取得者数とともにボートの売り上げも伸びているそうですが、それ以上に注目されているのがレンタルボートです。購入費や管理費を負担せずとも、好きな時に借りて手軽に海上のひとときを楽しめるとあって人気が高まっています。日本マリン事業協会によると、レンタルボートを営むマリンクラブへの2020年の入会者は、前年より20%ほども増えているそう。

 ヤマハ発動機が全国140か所でレンタルボートなどを扱っている会員制マリンクラブ「シースタイル」では、2020年の入会者数は過去最高を記録したといいます。これまでひと握りの人の優雅な遊び……というイメージだったボートが、急速に身近な存在になってきているようです。

 日本マリン事業協会ではさらに業界を盛り上げるべく、マリンレジャーの無料体験会やボートショーなどを積極的に開催していくということですので、マリンスポーツに親しむ人はますます増えていくのではないでしょうか。

【了】

【グラフ】伸び方スゴっ! 船舶免許の取得者数推移

Writer: 古屋啓子

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