北陸新幹線「越前たけふ駅」完成間近 延伸区間唯一の新幹線単独駅が「乗り換え拠点」に?
北陸新幹線 福井~敦賀間の途中駅となる越前たけふ駅の工事が進行中です。駅舎本体の工事は佳境で、現在はアクセス道路を含む周辺施設の工事が主となっています。駅周辺はどのようになるのでしょうか。
延伸区間唯一の「新幹線単独駅」
北陸新幹線 金沢~敦賀間の延伸開業が2024年春と間近にせまる中、途中駅となる越前たけふ駅(福井県越前市)も駅施設が完成に近づいてきました。
越前たけふ駅は福井駅と敦賀駅の中間に位置。JR北陸本線武生駅から東に3kmほどの田園地帯の真ん中で、すぐ北側に北陸自動車道の武生ICがあります。駅名は北陸新幹線では初となる「ひらがな付き駅名」で、すでに存在する福井鉄道の越前武生駅との混同を避けるためひらがなにしたといいます。また、福井鉄道では越前武生駅を改称する動きがあります。
越前たけふ駅のホームは「2面4線」、つまりホーム2本に本線2本+待避線2本の計4本の線路がある構造です。隣の福井駅が待避線の無い「1面2線」であるのを補完するほか、南側に設置される保守基地への送り込みに対応した配線となっています。
駅舎デザインは「越前市に飛来するコウノトリ」をモチーフとしており、翼をイメージした白く力強い造形が印象的です。一方で正面下部は銀鼠色の「越前瓦」を敷き詰めたようなデザインで、福井駅と同じくモダンと伝統をマッチさせた姿になっています。
さて、現場では駅舎本体はほぼ完成形となっており、「越前たけふ駅」と書かれた駅名標が存在感を示しています。8月19日には足場が撤去されて外観が公開、9月19日には地元住民を中心とした見学会も行われました。現在、駅舎西側に併設される道の駅「越前たけふ」の施設の建設工事が進められています。
道の駅「越前たけふ」は当初、情報交流会館として構想されていましたが、「広域交通の拠点」「広域交流の起点」「防災機能」といった役割を果たすべく、道の駅として整備する方針になりました。鉄道駅に併設の道の駅は、県内のJR越美北線の九頭竜湖駅を含め、全国に約30か所存在しています。
もうひとつ駅前で進められている工事が、駅へのアクセス道路です。「北陸新幹線南越駅周辺整備基本計画」によると、このアクセス道路は駅から西方向と北方向へ伸びるL字型の道路で、それぞれ国道8号と武生ICおよび福井県道武生インター線へ直結します。武生インター線はJR武生駅を含め、旧武生市の中心市街地へのアクセスを担い、駅開業後は市街と駅とをむすぶメインルートとなる予定です。
新幹線単独駅ということで、鉄道路線の乗り換えはありませんが、駅前には自家用車と新幹線を乗り換えるためのパーク&ライド駐車場が整備されます。
【了】
越前たけふ駅の駅名が平仮名混じりになったのは、そもそも県外の人達が武生を「たけふ」と読めずに「たけお」とか誤って読んでしまうからです。農協も「JA越前たけふ」の様に平仮名混じりです。
福井鉄道の駅と被りますが、新幹線駅名の決定を受けて、今は福井鉄道の駅名を変更すべく新しい駅名を人気投票中です