「のぞみ」に刃物男 緊迫の車内…列車はどうなるのか? 警官突入までの訓練一部始終

「武器を捨ててお話ししましょう!」

グループ通話(車掌長)「負傷者の状況はいかがでしょうか?」

グループ通話(パーサー)「負傷者は20代男性、右上腕、かなり深く切りつけられています。救急車を要請したほうがよいかもしれません」

グループ通話(指令所)「豊橋駅、救急車手配しています」

グループ通話(愛知鉄道警察隊)「愛知鉄道警察隊から車掌長。警察官6名、豊橋駅で待機しています。15号車、前方後方から3人ずつ乗車します」

グループ通話(運転士)「まもなく豊橋駅に到着します。到着後は、運転士の操作によりドアの一斉開扉を行います。左側のドアが開きます」

 そして「のぞみ6号」は豊橋駅に到着。運転士の操作でドアが開き、客室の前後から警察官が突入してきました。

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突入してきた警察官(2021年11月17日、恵 知仁撮影)。

警察官「武器を捨てなさい!」

不審者「なんだこらぁ!」

警察官「武器を捨ててお話ししましょう!」

不審者「何を話すんじゃボケぇ!」

 不審者が、警察官を小突いた瞬間でした。一気に動きます。

警察官「12時10分、公務執行妨害で現行犯逮捕!」

グループ通話(車掌長)「警察が確保しました」

 JR東海によると、東海道新幹線の車内には盾、さすまた、耐刃手袋、耐刃ベストが備えられており、乗務員は防犯スプレーを持っているとのこと。また、こうした万が一が発生した場合は、落ち着いて身の安全を確保し、乗務員へ通報してもらえれば、といいます。

 東海道新幹線に限らず、列車に乗る際は、そのどこに非常通報装置や非常通話装置があるか、普段から少し意識しておくと良いかもしれません。

【了】

「あっ!もう逮捕される!」というのが分かる不審者の写真

Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)

鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。

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