おかえり「一式双発高等練習機」故郷の立川へ 国内現存唯一の旧軍機がたどった79年 今後は?
間近で見ると「塗り直した跡」
この機は1943(昭和18)年9月27日、秋田県の能代飛行場から青森県の八戸飛行場へ向かう途中、エンジントラブルで十和田湖に墜落。2012(平成24)年に引き上げられるまで69年間にわたり湖底に沈んでいました。青森県立三沢航空科学館での保存・公開を経て、2020年11月に所有者だった青森県航空協会から立飛HDへ寄贈されました。
一般公開では胴体、エンジン、左右主翼、水平尾翼などに分け、内部の構造を間近で観察できるように配置。ピトー管や計器パネル、伝声管などの部品の展示も行われました。
腐食は進んでいるものの、沈んでいた場所が水温の低い淡水の湖であったため外気や塩分にさらされず、機体の原形を保った状態でオリジナルの塗装の多くが残っているなど、保存状態は比較的良好です。主翼や胴体に書かれた注意書きや、上から塗り直した跡なども確認できました。
立飛HDは今後も一般公開など、一式双発高等練習機を見学できる機会を設けていくとのこと。また、保管している「R-53型軽飛行機」や小型航空機の開発などを手掛けるオリンポス(東京都青梅市)が復元計画を進めている九五式一型練習機「赤とんぼ」などを展示できる施設の整備も構想しているといいます。
【了】
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
立川に見に行った。三沢での展示より機体がバラバラになっていた。輸送上の理由でああなったのか?
ちょっと残念だった。もう飛行機ではなくなっていた。