交通事故死者 神奈川が初の全国ワーストに 人口考えれば少ない? 減少を喜べぬ上位都道府県

各都道府県における2021年の交通事故死者数の速報値が出そろいました。神奈川県が初めて全国最多に。全国でも、死者数は減少していますが、“上位”のところでは手放しで喜べない事情があります。

「死に至る事故」の多さで見てみると別の傾向が

 2021年死者数上位3都府県(神奈川、大阪、東京)の人身事故件数と事故死者数にも注目し、人身事故に対して一定の割合で発生する事故死者の数値を見てみました。

 200万人都市を抱える4都府県、神奈川、大阪、東京、愛知では、「人身事故は多く発生するものの、そこで発生する死者数は低い」傾向、そのほかの地方では、「少ない人身事故件数で多くの死者数が発生する」傾向が2021年は見られます。神奈川県は、前者の4都府県において最も高率で、大都市圏ですが、人身事故が発生した場合に死亡事故となる可能性が高いと言えます。

 神奈川県のウェブサイト「かながわの交通安全」を開くと、まず第一に知事が呼び掛けているのは「飲酒運転の根絶」です。掲載されたのは2021年11月18日で、この時すでに全国最悪の状態でした。年内に発生した県下の飲酒による事故死者数は6人(前年比+1人)。全国最多の事故死者数を数えている神奈川としては、もっと広く死亡事故の要因となる注意喚起を発信すべきだったのかもしれません。

 前出の通り日本全国での2021年の交通事故死者数は、前年比で203人(7.2%)減少し、5年連続で最少を更新しています。そんな中で神奈川県と大阪府は逆行し、事故を拡大させました。2021年に3番目に多かった東京は前年、最悪の死者数でした。愛知県と最悪を争いましたが、両者はともに2021年に死者数を減少させました。

 交通事故は運転者や歩行者それぞれが気を付けることは当然ですが、適切な時期に最も抑止効果が見込める情報で注意喚起が必要です。ある意味で、新型コロナ感染予防対策と同じ。丁寧であきらめない情報発信が、抑制効果をあげることは間違いありません。

【了】

【速報ランキング】2021年の都道府県別 事故死者数ランキング&死亡事故率

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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