「列車の代わりに乗れるバス」に勝ち目なし? 鉄道の存続危うし「自治体も消極的」の声 インバウンド“年45万人”来訪の沿線

インバウンド客で賑わう長野県白馬村。新幹線駅と結ぶ「臨時バス」まで出動している一方、並走するJR大糸線は利用が低迷しています。バス転換の可能性もささやかれるローカル線の現状を取材しました。

JRきっぷで乗れるバス

 本数が少ない赤字ローカル鉄道を補完するため、沿線の人気スキーリゾート地域と新幹線駅と結ぶ「臨時バス」が運行されています。訪日客らに重宝されている一方、“本丸”であるはずの鉄道の行方が視界不良になっています。

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南小谷駅に入線するJR西日本のキハ120形(大塚圭一郎撮影)

 JR東日本とJR西日本にまたがり、長野県の松本と新潟県の糸魚川を結ぶローカル線「大糸線」の沿線には有名なスキーリゾート地の長野県白馬村があり、インバウンド(訪日客)が押し寄せています。しかし、北陸新幹線と接続する糸魚川と白馬(白馬村)を移動できるのは普通列車を乗り継いでの7往復しかなく、移動時のボトルネックとなってきました。

 対策としてJR東日本、JR西日本、長野、新潟両県と沿線自治体などでつくる「大糸線活性化協議会」は、観光シーズンに「JR大糸線増便バス」という名称のバスを糸魚川と白馬の間で走らせています。スキー客が多い2025年12月―26年3月の期間には、12月中旬まで土休日のみ、12月下旬以降は3月31日まで毎日、それぞれ3往復させています。

 JRのきっぷを持っていれば、予約せずにバスを利用できます。列車の場合はJR東日本と西日本の境界でもある途中の南小谷(長野県小谷村)で乗り継ぎが必要なのに対して一本のバスで移動でき、所要時間は1時間半と、大半の列車より短時間で結びます。バスの場合、スキー場や宿泊施設が集まっているエリアの白馬八方バスターミナル(白馬村)に停車するのも利点です。糸魚川では北陸新幹線との乗り継ぎもよく、利用した人からは「便利だった」との評価が出ています。

 現地を訪れた筆者(大塚圭一郎:共同通信社経済部次長)は「JR大糸線増便バス」の認知度が高まれば、利用者数が低迷している鉄道に代わって主役の座に躍り出る可能性があると実感しました。

 2024年度(2024年6月―25年3月)のバスの累計利用者数は2万3317人と、目標の3万人の約77%にとどまりました。しかし、25年度は列車よりも乗客数が多いバスも出ており、もしも定着すれば鉄道は“ひさしを貸して母屋を取られる”ことになりかねません。

【勝負にならん…?】これが大糸線の「列車の代わりに乗れるバス」です(地図/写真)

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