交通事故死者 神奈川が初の全国ワーストに 人口考えれば少ない? 減少を喜べぬ上位都道府県
各都道府県における2021年の交通事故死者数の速報値が出そろいました。神奈川県が初めて全国最多に。全国でも、死者数は減少していますが、“上位”のところでは手放しで喜べない事情があります。
交通事故死者数は5年連続で最低更新 本当によくなっている?
2022年に入り、各都道府県が警察庁は2021年の交通安全事故死者数を公表しています。事故死者数の最多は神奈川県で142人、次いで大阪府、東京都と続き、全国の総数は2636人。前年より203人(7.2 %)減少しました。交通事故死者数はさまざまな要因で減減傾向にあり、各地で統計史上に残る少なさを伝えていますが、多発地域で安心できる状況とは言えません。
統計史上初めて全国最悪となった神奈川県。黒岩祐治知事は結果を受けて、次のように話しました。
「142人の尊い命が失われたことは、重く受け止めている」(1月6日定例会見)
神奈川県は2021年から25年までの5か年計画で「年間交通事故死者数を130人以下にする」と策定しており、黒岩氏は「達成できず、非常に残念」とも話しました。同時に死者数の評価として「人口10万人当たりでみると本県は1.54人。全国平均は2.09人で、少ないほうから数えて全国で3番目」と、前向きな評価を加えました。
ただ、神奈川県に限定して過去3年にさかのぼってみると、別の結果が見えてきます。神奈川県は人口10万人あたり死者数で1.44人(2019年)、1.52人(2020年)、1.54人(2021年)と、じわじわ数値が上昇していました。
件数ベースで見れば、2019年は1971(昭和46)年以来の最少値、2020年は50年のあいだで負傷者、事故件数とも最少値だったので、神奈川県の事故対策は順調に進んでいるかのようにも思えました。そんな流れが続いた後に、史上初の全国最悪の事態を迎えたのです。
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