新たな国民負担「自賠責の賦課金」財務省どう説明? 省庁間の借金に由来 返済は100年計画!?

自動車ユーザー団体は苦渋の評価

 ある自動車ユーザー団体の関係者はこう話します。

「今回の大臣間の覚書で初めて、今後5年間の返済額の水準が示された。これまでは毎年の交渉がすべてで、返済額どころか、来年度の返済が実行されるかどうかも見通せなかった。そういう意味では、5年間だけでも返済するという覚書が交わされたことは進歩だ」

 完済までに100年以上かかる返済計画は妥当なのでしょうか。鈴木財務相は言います。

「総合的な判断だと思う。今の厳しい財政事情を踏まえて、関係者、国交省と協議をした中で決められた覚書だと承知している」

 5年後、再び両大臣の折衝で、未来の返済計画が決まることでしょう。一方、不足分を補う賦課金制度は着実に成立し、新たな負担だけが終わりなく続こうとしています。賦課金制度の内容は、今週末(2022年1月21日)にも検討会の中間とりまとめという形で公表されます。

【了】

【返す気あるの?】国交省←財務省の「借金」返済状況を画像で見る

Writer: 中島みなみ(記者)

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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