「日本最北の空港」路線復活なるか? カギ握るATRの新型旅客機

礼文空港復活の鍵を握るATR42-600S

 ATR42-600Sならば、滑走路長800mでも離着陸できます。加えてその原型であるATR42-600は、札幌・丘珠空港を拠点にしている北海道エアシステム(HAC)が2022年1月現在、3機を運航しており、そのサポートも期待できます。

 仮に礼文空港から丘珠空港や新千歳空港を目指して飛んだ場合、1時間程度で行くことも可能になります。

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札幌市内にある丘珠空港の格納庫に駐機する北海道エアシステムのATR-42型旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。

 2021年に礼文町が、島民向けに航空需要を調査するアンケートを実施したところ、その7割の住民が礼文~札幌(丘珠)間が就航した場合は利用したいという結果になりました。利用の目的としては「通院」「旅行」「急ぎの用事」が上位に来ており、生活や余暇としての利用を想定しているようです。

 さらにアンケートを詳しく見てみると、稚内市を目的地として島外に出かけていた人たちの約6割が、稚内市から札幌市に行き先が置き換わる可能性があると回答していました。

 一方、反対意見としては、礼文島は気象条件が厳しいので航空機の運航率に疑問を持っているというものや、今までの交通手段で十分だから、といった意見も見受けられました。

 現在コロナ禍により航空機利用が低迷しており礼文空港再開などは夢のまた夢かもしれません。しかし礼文空港が廃港にならず休止延長が続いているのは、礼文島民の思いや礼文町役場や北海道庁の人たちの維持しようとする努力が連綿と続いているからです。

 筆者(斎藤大乗:元自衛官ライター/僧侶)も礼文島の住民のひとりとして、島に再びプロペラ機のエンジン音が轟く日を楽しみにまっています。

【了】

【最北の空港はこんなところ】礼文空港や稚内空港などをイッキ見

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Writer: 斎藤大乗(元自衛官ライター/僧侶)

木更津駐屯地で5年間ヘリコプターと共に暮らした元自衛官。自衛官時代の経験を生かして雑誌やアニメに登場するヘリコプターの監修を行う。現在は実家のある日本最北の礼文島で僧侶をしながら記事を書いている。

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コメント

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3件のコメント

  1. 最南端の波照間空港も休止中だがどうなのかな?同じように石垣島に行くより那覇に行きたいとか。

  2. 採算が絶望的な路線の為に新型を購入する余裕がどこにあるのだろう?
    それよか隣の利尻への船便を増やすほうがまだ現実味があるのでは?
    利尻はジェットの定期便が健在なのだから。

    • JRは遅すぎる
      5時間もかかる位なら飛行機で1時間の方がラク
      シェアもがっつり奪えそうだしね