憧れの“寝台特急シングル個室”も格安で 客車の宿「ブルートレインたらぎ」ますます貴重な存在に
コロナ禍で閉鎖が相次ぐトレインホテル、多良木は健在!
その後も10年にわたって営業を続けてきた「ブルートレインたらぎ」ですが、2020年から続く新型コロナウイルスの影響で部活動の合宿・旅行客ともにキャンセルが相次ぎ、緊急事態宣言の影響もあって、一時休業を余儀なくされました。
この休業期間中に、換気設備の増設や共用スペースのパテーション設置など、感染症防止の対策が施されました。また機器の設置で外壁塗装を剥ぐ必要が生じたこともあり、経年劣化が進んでいた箇所も含めて、ブルートレインには欠かせない青色塗料「国鉄20号」で再塗装されています。
2021年7月に再オープンを果たしたものの、宿の方に聞くと、客足はまだまだだそう。そうしたなか、もはや交換できない1点モノの部品も多いこの施設を、丁寧に管理し続けているといいます。
一方、全国では、いわゆるニューノーマルに合わせた改装工事ができなかったブルートレインにまつわる宿泊施設の休止が相次いでいます。「あけぼの」の客車を利用した秋田県小坂町の「ブルートレインあけぼの」は、2021年度の営業を休止し、現在のところ今後は未定。また「北斗星」の実物パーツで寝台特急の車内を再現した東京都中央区の「トレインホテル北斗星」も2021年7月をもって長期休業になりました。
なお、くま川鉄道は2020年に発生した球磨川の氾濫により不通となっていましたが、2021年11月に部分復旧を果たしました。その“くま鉄“で多良木まで向かうのもよいですが、人吉から産交バス湯前線(「多良木駅前」か「多良木」で下車)で球磨地方の生活圏を眺めながら来るのもよいかもしれません。
【了】
※一部修正しました(2月15日14時28分)。
Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)
香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。
ブルートレインたらぎの個室はB寝台ソロなので寝台料金は6000円ですね
今なら消費税があるから6600円かな