交通系ICカード「バスOKで鉄道×」も 地方へ普及も高い壁「費用すごい」

秩父鉄道はなぜいま導入?

 一方、今回は単独で鉄道にPASMOを導入することになった秩父鉄道は次のように話します。

「導入の大きな目的のひとつは、感染症対策です。もともと利便性向上のため導入を検討していましたが、コロナをきっかけに状況が動きました」

 今回は沿線自治体からも支援を受けての導入だそう。なお同社はPASMO導入とともに、多くの駅で窓口の営業を終了し、係員の定期的な巡回に切り替えるという合理化も実施します。

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上信電鉄の700形電車(画像:上信電鉄)。

 上信電鉄によると、バスへの「nolbe」導入は、群馬県内のバス事業が一丸となって導入するからこそ可能になったといいます。一方で、そうしたきっかけを見いだせず、コスト面からICカードを導入できない鉄道事業者は、関東にもまだまだ多くあります。

 これまでは地方を中心に、鉄道を降りてバスに乗ろうとすると、県内全域で「ICカードが使えない」というケースが少なくありませんでしたが、いまは、バスで使えて鉄道では使えない、というケースが現れつつあります。なお、冒頭で紹介した青森、岩手、秋田、山形の各県ではJR線でも現状、多くの駅でICカードが使えませんが、2023年以降、対応エリアが拡大する予定です。

【了】

【一気に増える】2022年春登場 各地のICカード乗車券

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コメント

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6件のコメント

  1. 秩父鉄道の2/3ほどの駅が無人化されるといいますが定年延長とか嘱託職員などの雇い止めですかね、驚きました。

  2. JR西日本のICOCAですが、JR西日本の山口県内の駅の駅では使えないどころか、ICOCAのカードすら新幹線駅を含め駅では購入できません。
    それにも関わらず、山口県内を営業地域としている某バスでは新年度よりICOCAが使えるようになります。
    いま確かめたところ、JR西日本の山口県内の広島よりの駅(南岩国駅)まではICOCAは使えるようです、新年度からは、徳山駅まで使えるようになるとのこと。
    交通系ICカードは、使用できる店が多いのですが、そのICカードを入手する為にはJR西日本の営業管轄内であるにも関わらず、山口県を出てから買う必要があるということで非常にイメージはよくありません。

  3. ICカード導入せずに駅無人化した伊豆箱根……

  4. JR西日本が関西本線気動車区間や境港線他でやり始めてる車載型IC改札機(JR西日本テクシア及び受託した東洋電機製造が開発)ではいかんのかい?

    • システムそのものを導入した後のコストが中小事業者にとってえげつなく高い(システムの使用料など)ことがネック。
      バス事業者だと大都市圏でも公営系や電鉄系以外の独立系事業者がICカードを導入していないのはその辺りが原因であるため解決されることはない(公金投入でも無理)

  5. 沖縄のモノレールで一時期SUICAが使えなかったのは、
    高コストが理由だったとか。

    で、利用が減ったという建前(本音はコスト回収のため)で割引きっぷが廃止されたらいやだな。
    実際、回数券とかそうでしょうね。