東京にほぼ直線20km! 井の頭通り&多摩湖自転車歩行者道 半分は車通れないワケ

道路の地下に埋まっているものとは?

 2つの道路がほぼ直線である理由、それは、地下を通る水道管に沿っているからです。東京都水道局は、次のように話します。

「井の頭通りは、境浄水場(武蔵野市)から和田堀給水所(世田谷区)まで、きれいな水を送る送水管の上にあります。対して多摩湖自転車歩行者道の地下には、ダム(多摩湖)からの原水を境浄水場まで送る導水管が通っています」

 これら水道施設は大正時代に整備されたもの。境浄水場と和田堀給水所を結ぶ送水管はクルマも通れるよう補強され、井の頭通りの愛称がつきましたが、かつては「水道道路」と呼ばれていました。なお、和田堀給水所から渋谷までは、戦後に井の頭通りへ編入された区間です。

 対して、多摩湖から境浄水場までを結ぶ導水管上の多摩湖自転車歩行者道は、境からの送水管よりも「地表から浅いところを通っているため、自転車道として整備されたのでは」とのこと。この道路はほぼ平坦ではあるものの、外側から見ると、築堤で高さを稼いでいる箇所もあるので、送水管の埋設位置が浅いというのも頷けるところです。

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西武多摩湖線(奥)に沿う多摩湖自転車歩行者道。萩山駅付近(乗りものニュース編集部撮影)。

 こうした水道道路は、クルマが通れるところも、水道管への影響を考慮して重量制限などが敷かれていることがあります。杉並区から世田谷区まで「荒玉水道」の上を通る直線道路「荒玉水道道路」も、通行車両がかなり制限されています。

 ちなみに、井の頭通りは和田堀給水所を避けるようなルートになっていますが、2022年現在、給水所の敷地を貫くルートへの付け替え工事が行われています。すぐそばを通る京王線の高架化工事も進行中で、将来的に風景が大きく変わりそうです。

【了】

【長い!】井の頭通り~多摩湖自転車歩行者道 地図と写真で見る

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コメント

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2件のコメント

  1. 直線だとはあまり思いませんでしたが、手元の古いロードマップは井の頭通(水道道路)と書いていますね。青梅街道と西武新宿線が鋭角で交差する箇所はあとからできた鉄道が折れてSカーブでかわしており謎が解けました。

  2. 20kmくらいの水道道路の方はサイクリングで有名なので知ってる方も多いですね。

    私は荒玉水道道路の方を自転車で良く走ってました。
    (青梅街道と環七の交差点付近から多摩川の砧浄水場までの区間の道路)
    実は埋まってる水道管は板橋区の水道タンクまで続いてるらしいけど。