「後ろ1両ドア開きません」関西最後のドアカット解消 大塩駅 遅れた背景にリゾート計画

山陽電車の大塩駅にて、上りの特急で行われていた「ドアカット」が解消されます。この駅が長らく短いホームのままで営業を続けていた背景には、塩田の町としての歴史と、巨大リゾート計画に絡んだ駅移転構想がありました。

巨大リゾート計画のなかに位置付けられていた駅移転

 1923(大正12)年に「神戸姫路電気鉄道」の駅として開業した大塩駅の南側には塩田が広がり、周辺には何棟もの“塩倉庫”が集積していたといいます。この地は電車で三宮まで60分弱、姫路まで10分強と利便性が良いこともあって、174haもの塩田跡地と、大塩駅の駅移転などもセットになった「姫路市大塩・的形臨海部開発計画」が公表されました、

 そしてバブル経済に向かうなか、計画はどんどん肥大化し、1990(平成元)年に公表された資料では、先行開業した「姫路シーサイドゴルフコース」をはじめとしてショッピングモール、姫路市立水族館(移転)、大学、ホテルにマンション群など、人口3万人を擁する都市計画に。その中で山陽電車も300mほど南側(現在のトーホーストア大塩店近辺)に駅や駅前用地が用意されたほか、同様に移転が計画されていた飾磨車庫も、駅西側を流れる天川(あまかわ)右岸の土地が割り当てられる予定だったといいます。

 しかし、開発計画のうち実現したのはゴルフ場、大学(現在の姫路大学キャンパス)などごくわずか。水族館も現在の手柄地区から動くことはありませんでした。1350億円(2025年大阪万博の建設費並み)もの予算で、阪神甲子園球場の年間来客数に匹敵する400万人もの観光客を当て込んでいたこの計画には、バブル期らしい無謀さも感じられます。なおこの構想は、「経済条件の変化」を理由として、2019年に構想が正式に断念されています。

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長らく存在した構内踏切も改良工事により廃止された(宮武和多哉撮影)。

 周囲の開発そのものが進まないなか、大塩駅の移転も長らく棚ざらし状態になり、姫路市議会でも年1回ほど駅移転の話が出ていたようですが、その度に「用地確保済み、あとは(山陽)電鉄の申し出次第」という定形文のようなやりとりが続いていたようです。大塩駅の改良が長らく事業化に至らなかったのも、この開発構想が影響していたのではないでしょうか。

【特急、はみ出てる!】大塩駅の今と過去の移転計画 写真で見る

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