WW2最大最強の空母「信濃」どう使うつもりだった? 大和型の3番艦が装甲の塊になるまで

戦艦ではなく空母として進水した大和型戦艦の3番艦「信濃」。「大和」譲りの強力な装甲を装備した不沈空母として旧日本海軍は使う予定だったようですが、完成前に沈められています。一体どんな運用を行う予定だったのでしょうか。

沈没はあっけなく

 なお、「信濃」の飛行甲板の幅40mというのは日本空母で最大でした。そのため、この幅を活かして飛行甲板の半分で艦載機を駐機させ、残りの半分で発着艦させる運用が検討されたほどです。

 一方で、建造促進と飛行甲板に張った装甲の厚みから、格納庫は一段しかなく搭載機数は他の空母よりも少なめでした。就役直前に海軍航空本部が作成した「空母及搭載艦関係報告資料」では、「信濃」に搭載するのは艦上戦闘機「烈風」(または紫電改)24機(補用1機)、艦上攻撃機「流星」17機(補用1機)、艦上偵察機「彩雲」7機の計50機と記されています。

 ちなみに、広大な飛行甲板への露天係止を考慮すると、零式艦上戦闘機(零戦)や艦上爆撃機「彗星」なら86機を搭載可能という説もあります。

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空母「信濃」を建造した横須賀の第六号船渠(画像:アメリカ海軍)。

 こうして「信濃」は1944(昭和19)年10月に進水式を迎えます。ただ、ここで関係者のミスにより損傷を被ります。また、すでに東京に対してアメリカがB-29爆撃機による空襲を開始していたこともあり、呉で残りの艤装工事を行うべく、未完成状態であわただしく出港する羽目になりました。

 同年11月29日、横須賀から呉に向かっていた「信濃」は、アメリカ潜水艦に雷撃されます。未完成状態の「信濃」は、乗員が不慣れで被害極限が行えず、防御性能を活かせぬまま、あっけなく沈没しました。

 そして1年後の1945(昭和20)年8月に終戦。「信濃」を建造した第六号船渠は、戦後、アメリカ軍に接収され、在日米海軍の艦船修理場所として用いられます。のちにはライバルのミッドウェー級空母を始めとして、横須賀を母港とするアメリカ空母の行動を支える重要な整備拠点となり、「信濃」とは対照的に現在も現役で使用され続けています。

【了】

【写真】空母「信濃」が搭載予定だった旧海軍機たち

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

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コメント

2件のコメント

  1. ハコモノ軍備?

  2. 最大の失敗は、空母への改遅れたことことですね。1942年のミッドウェー海戦前後に完成していたら、状況は変わっていたかもしれませんが、、、もっと言えば、長門・陸奥を建造したドッグを利用して、空母・大鳳クラスの大型空母を3隻戦前に建造していたら、、歴史のIFですが、、、

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