「産業道路」って何? 広い道にトラックびゅんびゅん…イメージ裏切るフツーの道も
「産業道路」に歴史アリ
一方、新座市の「産業道路」。市の道路管理係によると、1980年代から90年代にかけての道路愛称選定会議で決定したものだといいますが、具体的な選定理由は不明とのこと。ただ、「このときは歴史的、伝統的な由来などが重視されたこともあり、昔からこう呼ばれていたとも考えられます」と話します。
新座の産業道路は1966(昭和41)年の時点ですでに全線整備されており、当時の沿道は大部分が農地ですが、志木街道側ではいくつか工場ができていました。
埼玉県には、このほかにも複数の「産業道路」があります。うち、さいたま市の市街地を南北に縦貫する県道35号の「産業道路」は、片側1車線区間が多く、しばしば渋滞します。
この道路も昭和20年代には大部分ができており、当時の沿道を航空写真で見ると、そのほとんどは農地や山林でした。埼玉県道路環境課によると、「今では市街地化されていますが、工業地域を結ぶ貨物輸送のための道路というだけでなく、当時は産業を誘致する意味合いもあったのでしょう」と話します。
この路線に並行して近年、東側に片側2車線の「第二産業道路」も整備されましたが、これは「産業道路のバイパス」という意味だそう。もとの産業道路の名称が昔から地域で使われていたことが伺えます。
もとは貨物車をメインとしていた「産業道路」、昔から存在するその通称が地域になじみつつも、昔と今とで様相が変わっているケースがあるようです。
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