那覇で奄美の航空機をコントロール OKIが遠隔管制塔装置を国交省へ納入
空港が被災した際のバックアップにもなります。
空港の運用時間延長や時間外の救急搬送などへ対応
OKIは2022年2月28日(月)、国土交通省航空局に日本初のリモートRADIO運用を行うための「RVA‐19型遠隔管制塔装置(Remote VFR system for ATS Type RVA-19)」を納入したと発表しました。
すでに2021年10月1日から、本装置を用いた奄美リモートRADIO運用が開始されており、奄美空港およびその周辺を飛行する航空機に対する情報は那覇空港から遠隔で提供されてるといいます。
従来、空港の運用時間延長や時間外における救急搬送など多様なニーズに対応するため、航空管制官が配置されていない空港、いわゆる「RADIO空港」のリモート化による24時間官署への集約が進められてきましたが、これまで航空交通量が多いRADIO空港については、空港周辺の状況を詳細に把握する必要があるため、既存の業務機器では対応が困難でした。
RVA-19遠隔管制塔装置はこれを解決するため、遠隔地より空港およびその周辺の飛行に関する情報を子細に把握し提供できるようにしたそう。
OKIが明示したRVA-19型遠隔管制塔装置のおもな特長は以下のとおりです。
・リアルタイムで360度の視野確保。空港に設置した固定カメラ映像を遠隔地の大型ディスプレイにリアルタイムで表示させ、管制塔と同等の視野を確保
・カメラの遠隔制御。遠隔地にいる航空管制運航情報官が空港に設置した可動カメラを制御し、空港および空港周辺の状況を確認可能
・カメラによる動体検出。カメラで動体検出をした際、遠隔地にある大型ディスプレイに検知枠を表示させ、航空管制運航情報官へ注意を喚起
・カメラによる追尾。遠隔地からの制御により、指定した動体の可動カメラによる追尾・視認が可能
・システムの運用維持。遠隔地が災害などで被災した場合でも空港の運用継続が可能となるバックアップ体制
OKIは、これまでの各地の航空管制システム導入の実績を活かしながら、本装置での運用を踏まえ、さらなる技術開発を進めるとともに他のRADIO空港のリモートRADIO化実現に向けて積極的に提案活動を行っていくとのこと。また、海外ですでに導入が始まっている遠隔管制塔への発展を見据え、航空管制業務のDX化に寄与する取り組みをさらに加速していくとしています。
【了】
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