実は宝庫? 福岡県の難読駅名 「読めるか!」から「そう来るか!」まで

九州最大の人口を擁する福岡県ですが、難読駅名の宝庫でもあります。都市部から郊外まで、一見して読めないものもあれば、読めそうで読めないものなど、様々です。

読めない! 福岡県の難読駅名

 九州最大の人口を抱える福岡県。観光やビジネスで訪れる人も多いと思われますが、実は難読駅名の宝庫でもあります。難しい字から、読めそうで読めないものまで、様々です。

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西鉄天神大牟田線の電車(画像:写真AC)。

●雑餉隈(西鉄天神大牟田線、福岡市博多区)

九州最大の都市福岡で、難読駅名としてまず挙がるのは「雑餉隈」ではないでしょうか。「ざっしょのくま」と読みます。かつては「第2の中洲」とも呼ばれて多くの風俗店が営業していた繁華街です。「雑餉」は人をもてなすため酒や食物などを意味し、江戸時代の儒学者・貝原益軒は『筑前国続風土記』で、太宰府天満宮へ参詣する人が休息する所で酒食を商う店があったことが「雑餉隈」の由来と綴っています。

●野芥(福岡市営地下鉄七隈線、福岡市早良区)、馬出九大病院前(同箱崎線、福岡市東区)

福岡の地下鉄にも難読駅名があります。「野芥」は芥川龍之介などから“のあくた”などと読んでしまいそうですが、読みは「のけ」。「芥」は「ごみ、くず」の意味で、遠い昔に野芥駅から南東の油山が崩れ、大量の土砂が流れ出したことに由来しているそうです。「馬出九大病院前」の前2文字は、これで「まいだし」と読みます。近くにある筥崎宮の神事で使われた馬に関係する地名です。

●朽網(JR日豊本線、北九州市小倉南区)

 北九州空港の最寄り駅であり、空港へのシャトルバスが発着しています。苗字だと「くたみ」と読む人もいるようですが、この駅名ならびに地名は「くさみ」と読みます。景行天皇が土蜘蛛討伐の際に、葛の網をしき、それが朽ちたことに由来する、などという説があります。

●永犬丸(筑豊電気鉄道、北九州市八幡西区)

2022年1月に「生活ガイド.com」が発表した「難読駅ランキング 西日本編」の3位に入った駅。読みは「えいのまる」です。この地はかつて入り江で、そこにきていた「永犬丸」という船に由来するという説があります。

●古賀茶屋(西鉄甘木線、久留米市)

“こがぢゃや”あるいは “こがのちゃや”と読むかもしれませんが、これは「こがんちゃや」と方言のような読み方をします。福岡ではこのほかにも、「陣原(じんのはる、鹿児島本線)」などの“原”を「ばる」「はる」というなど、独特な読み方がそのまま駅名になっているケースが少なくありません。

【了】
※一部修正しました(4月13日12時39分)。

テーマ特集「【特集】読めるか!な難読駅 日本一長い/短い駅名… なぜその駅名になったのか」へ

Writer: 野口翔五

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コメント

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2件のコメント

  1. 細かいですが陣ノ原ではなく陣原では?

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。