宇宙の「つくば」? アマゾン創業者らが仕掛ける新宇宙ステーションが壮大 日本も拠点に
要は「宇宙のつくば研究学園都市」?
ひとつの共有インフラが、各テナントや訪問客のニーズをサポートするビジネスモデルは地上では以前から行われてきたものですが、宇宙では前例がありません。ブルー・オリジンとシエラは、すべての顧客の障壁を低くし、宇宙関連技術の競争的な開発を促進するとしています。
その計画は、いわば郊外の「学研都市」を丸ごと宇宙に創り出すようなものといえます。
オービタル・リーフが周回するのは高度約500kmの傾斜軌道で、2020年代後半の運用開始を予定しています。広さはISSとほぼ同じ830立方メートル。モジュールは科学ゾーンと居住ゾーンに分かれており、10人程度が滞在可能です。もちろん宿泊施設や生活スペース、宇宙船のバースといった各モジュールは、需要に応じて“無制限に”拡張することができます。
観光目的での利用も考えられており、地球に面した大きな窓が設けられたモジュールでは、旅行客が地球の美しさを堪能できるとともに、無重力のスリルを体験できるようにするといいます。居住スペースと作業スペースは大きなハッチで分けるほか、医療やレクリエーションなど、滞在期間に応じた快適な居住環境も整えます。
研究モジュールでは、屋内外でさまざまな実験を行える施設などを整備するほか、新製品の特許などを守る専用のクローズドハッチモジュールなど、基礎科学から応用開発まで研究者が必要とするものをすべて提供します。これにより、軌道上で物理学、生物学、地球科学、新製品開発、探査システムのテストなどの研究がしやすくなるとしています。
船外活動や宇宙観光では、ジェネシスエンジニアリングソリューションズ(GES)が開発中の1人乗り宇宙船が活用されます。またオービタル・リーフへの機材や人員の輸送は、シエラが開発中の有翼式宇宙往還機「ドリームチェイサー」やボーイングが開発中のカプセル型有人宇宙船「スターライナー」、そしてブルー・オリジンの超大型ロケット「ニューグレン」が使用されます。
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