宇宙の「つくば」? アマゾン創業者らが仕掛ける新宇宙ステーションが壮大 日本も拠点に

NASAが支援し、アマゾンの創始者らが構想する民間の商用宇宙ステーションプロジェクトが進行しています。研究施設から商業、観光まで多用途に広がるその計画は、いわば“学研都市”を宇宙に展開するようなもの、といえそうです。

重要拠点となる「大分」 三菱重工も協力

 商用宇宙ステーションとして期待が高まるオービタル・リーフですが、日本も無関係ではありません。実はシエラは日本企業との関係を強めており、大分空港が「ドリームチェイサー」のアジアの着陸拠点に選ばれる可能性もあります。

 2022年2月には、シエラが大分県や商社の兼松とパートナーシップを締結し、大分空港を「ドリームチェイサー」のアジア拠点として活用するための検討を進めることで合意しました。

 兼松は以前からシエラの代理店として、宇宙機器・サブシステムを国内民間企業へ提供しており、地球低軌道や商用宇宙ステーションの利用拡大に向けた業務提携の覚書も結んでいました。今後、「ドリームチェイサー」の国内での事業開発を目指し、安全性・環境面の予備検証や経済波及効果など具体的な検討を進めていくとしています。

 さらに3月、シエラは三菱重工業と「オービタル・リーフ」の開発に関する覚書を締結しました。ISS退役後の有人低軌道利用への参画を視野に、両社の知見を生かした幅広い技術分野での実現性検討を実施します。

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有翼型の宇宙往還機「ドリームチェイサー」。大分に降りてくる可能性がある(画像:シエラ・スペース)。

 三菱重工は、ISSの日本モジュール「きぼう」の建設や宇宙ステーション補給機「こうのとり」の開発・製造・運用、宇宙空間でのライフサイエンス実験装置開発で実績があります。特にH-IIBロケットによって打ち上げられた「こうのとり」によるISSへの物資補給では、計9回のミッションを全て成功し高い信頼性を示しました。また、ライフサイエンス実験に関しては、人工重力発生装置と個別飼育可能なケージを「きぼう」に供給し、これまで計5回のミッションでマウスの全数生存帰還を連続で達成しています。

 同社の西ヶ谷知栄宇宙事業部長は「ISSの開発・運用に係る日本の実績を評価いただいていると理解している。JAXA(宇宙航空研究開発機構)やほかの日本企業とも連携を取りながら、できることを幅広く考えて協業を図っていきたいと思います」とコメントしています。

【了】

【住める!】宇宙の野菜畑もあるオービタル・リーフ内部 画像で見る

Writer:

1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。

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