「路線バス廃止→無料バスにする」って? 2022年3月廃止の路線バス【西日本】 大再編相次ぐ

好調な「村のタクシー」に役目を引き継ぐバス~近畿編

●南山城村営バス:高山大河原線(京都府)
・廃止区間:松笠~月ヶ瀬口駅前~やまなみホール

 京都府の南東の端に位置する相楽郡南山城村は人口約2600人、高齢化は50%弱。かつての三重交通バスの路線を引き継いだ村営バスが廃止となります。2021年4月に村が新しく開始したサービス「村タク」に、バスの利用が大きく傾いたためです。

 この「村タク」は予約が必要で、利用は平日8時30分から19時まで。サービス開始当初は1台利用で村内移動が300円(のちに1人あたりに変更)で、隣の笠置町へも一人500~800円でした。バス停留所と比べ利用できる箇所がかなり増えたとあって、1日の利用者数はバスの3~4倍にものぼり好調を維持しています。この状況を受けた南山城村は、バスに要する年間900万円の予算を「村タク」に振り向ける決断を下しました。

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南山城村営バス。月ヶ瀬口駅前にて(宮武和多哉撮影)。

 また現在、南山城村からの利用が多い東隣の笠置町も「村タク」参画に興味を示しているようです。もし自治体の壁を超えた「村タク」整備が実現すれば、南山城村・和束町・笠置町の共同運営による広域の路線バス(相良東部広域バス・JR月ヶ瀬口駅~JR加茂駅)も含めた再編に発展するかもしれません。

 しかし「村タク」は、経費節減のため運転手の一部をボランティア(協力運転員)に頼っています。車両の購入は企業版ふるさと納税により賄えましたが、南山城村は現在、コロナ禍で村内のゴルフ場からの税収減に悩まされており、運行にかかる経費や、担い手の高齢化などの問題も残ります。

●江若バス:龍華線 近江鉄道:瀬田循環線・大江循環線(滋賀県)
・廃止区間:小野駅~上龍華、瀬田駅~ロイヤルオークホテル~瀬田駅など

 いずれも大津市内の路線です。北西部を走る江若バス・龍華線は住民の要望もあり、大津市デマンドタクシー「光ルくん」路線に転換します。

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