「路線バス廃止→無料バスにする」って? 2022年3月廃止の路線バス【西日本】 大再編相次ぐ

市営バス消滅から3年、進む路線の整理~九州編

●西鉄バス:脇山線・三軒屋線・野方博多線・小倉急行線など(福岡県)
・廃止区間:天神~金武営業所、天神~野方、小倉~直方など
(3月18日〈金〉最終運行、3月19日〈土〉廃止)

 西鉄バスは今回の改正で福岡市内の都市高速経由の11路線で運賃の改定を行い、同時に3路線を廃止しました。運賃に関しては、もともと一般道経由よりも割安だったものを2~3割(上限運賃の枠組みの上限)値上げ、という、都市高速の利用料金を考えれば妥当な改正です。

 廃止路線はいずれも一般道経由のバスが多く運行されていますが、野方線、三軒屋線などはいずれも市街地でよく渋滞にかかり、営業所を始発で出るはずのバスが、まだ営業所に到着もしていない、などということも。野方・三軒屋はいずれも地下鉄空港線・七隈線の駅に近く、乗り換えを伴う経路変更を考えても良いかもしれません。

●西肥バス:水産市場線など13路線(長崎県)
・廃止区間:水産市場入口~水産市場前、佐々役場~見返橋など

 西肥バスは、2019年に歴史に幕を閉じた佐世保市営バス(佐世保市交通局)の流れを汲む路線について、今回のダイヤ改正で大幅な変更に踏み切りました。利用実態に合ったルート(例:楠泊江迎線で黒石地区を経由しなくなるなど)への改変や、本数の見直しなどが行われます。市営バス時代からの路線網を、いまの実態に即した改編するものといえるでしょう。

●南国交通:大口~本城、幸田~鹿児島空港線など6路線(鹿児島県)
・廃止区間:大口~鹿児島空港、木場~帖佐駅など

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南国交通のバス(宮武和多哉撮影)。

 南国交通は郡部の路線廃止と併せて、2020年に鹿児島市交通局から移管された明和循環線、明和線などの減便も実施します。移管時には「可能な限り3年間は減便を行わない」としていましたが、コロナ禍による乗車実績の大幅な落ち込みによって「バス事業の継続も危ぶまれる」(同社ホームページより)として、鹿児島市と協議の上でやむなく減便に至ったそうです。

【了】

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Writer: 宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)

香川県出身。鉄道・バス・駅弁など観察対象は多岐にわたり、レンタサイクルなどの二次交通や徒歩で街をまわって交通事情を探る。路線バスで日本縦断経験あり、通算1600系統に乗車、駅弁は2000食強を実食。ご当地料理を家庭に取り入れる「再現料理人」としてテレビ番組で国民的アイドルに料理を提供したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」など。

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