ウクライナ支援が「参戦」にはならないワケ 背景に「戦争」「中立」という概念の変遷

ロシアのウクライナ侵攻に際し、各国の支援が続々とウクライナへ届いています。交戦国の一方へ味方する行為に見えますが、参戦とはどう線引きされるのでしょうか。これには「戦争」「中立」という概念の変遷が関わっています。

ウクライナへの支援はどう評価される?

 ウクライナへの支援という観点では、上記の義務のなかでも避止義務との関係が注目されるところですが、実のところ、とくに第2次世界大戦以降は、中立義務のなかでも避止義務や防止義務は必ずしも厳格に順守されてきたわけではありません。これは第1次世界大戦以降、進展した戦争違法化との関係で、戦争をしている国々に関して「違法に武力を行使している国」と「合法的に武力を行使している国」という区別が可能となったことが影響していると考えられています。

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携行式多目的ミサイルFGM-148「ジャベリン」(画像:アメリカ陸軍)。

 もともと、中立法が発展してきた19世紀当時は戦争に訴えることが原則的に禁止されていたわけではなく、そのため戦争に参加している国々の間に合法な側と違法な側という区別はありませんでした。だからこそ、交戦国双方を公平に扱うことを基盤とする中立法が発展したのです。

 ところが、2度の世界大戦を経験し、現在の国際法では戦争を含めた一切の武力行使が原則禁止され、例外的に自衛権の行使などが合法な武力行使として認められています。そのため、武力行使に関して違法な側と合法な側という区別が可能となり、これまでのように交戦国双方を公平に扱うことは不合理とされるようになったとともに、合法に武力を行使していると考えられる国を支援する動きが見られるようになりました。

 そこで、現在では自国が中立国になるかどうかはその国の任意であり、自国が武力紛争に巻き込まれることを避けるために中立の立場を選択することも可能な一方で、交戦国の片方に軍事的な支援を行いつつも、武力紛争に直接参加するわけではない「非交戦国」なる立場があり得るという主張もなされています。

 非交戦国という概念は、古くは第2次世界大戦参戦前のアメリカがイギリスに対して武器などを支援していた事例を契機に盛んに議論されるようになりましたが、現在でも学説上の議論が続いています。

【質実剛健】ウクライナへの提供物資を搭載したC-2の荷室

ロシア軍のウクライナ侵攻 最新情勢 戦争はどうなっているのか

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