東急の運賃値上げ「適当」答申 コロナ後初 渋谷~横浜300円超に 要望事項も

今までが比較的割安でした。

東急の運賃値上げ申請が認可

 国土交通省の運輸審議会は2022年4月5日(火)、東急電鉄が1月に行った旅客運賃の上限変更の認可申請について、認可することが適当であると国土交通大臣へ答申しました。

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東急の5050系電車(大藤碩哉撮影)。

 東急は12.9%の値上げを軸とした申請を行っていました。現金の場合、初乗りは130円から140円に、渋谷~横浜間は280円から310円に変更となります。世田谷線の運賃は160円に統一です。こどもの国線ならびに通学定期は据え置きです。

 改定の理由は、「行動様式の変容が一定程度定着し、需要の回復が見通せない一方、安
全の確保に必要な設備投資は引き続き実施する必要があり、旅客運賃を改定して鉄軌道事業の安全な輸送と健全な経営を維持」するためとされています。

 現行運賃を維持した場合、2023年度から2026年度までの3年間における総括原価(能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの)は、約449億円の不足が生じるところ、改定後の不足額は約17億円になる見込みだそうです。

 ただ、次のような要望事項も付されました。

「東急電鉄株式会社の鉄軌道事業における需要見通しは一定の合理性が認められるものの、想定された旅客輸送量と実績が大きく乖離する可能性がある。このため国土交通大臣は、本件申請の認可にあたり、(中略)期限に係る条件を付すことを検討されたい」

「付された期限までの間の東急電鉄株式会社の経営実績について、実績が想定された収支率となっているかの検証結果並びに事業構造変革及び輸送需要創出への取組状況について、毎年、当審議会に報告されたい」

 東急は2023年3月の改定を申請していました。国土交通大臣は、今回の運輸審議会の答申内容等を踏まえて本件の処分を行う見込み。なお首都圏の鉄道事業者で、コロナ後に運賃値上げを軸とする改定を申請したのは、東急が最初でした。

【了】

【値上げ後の運賃表ほか 画像で見る】

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