ロシアの侵攻、自衛隊が教訓とすべき点は? 元陸自トップ語る 祖国を守るキーポイント

ウクライナの祖国防衛作戦

――では、攻め込んできたロシアに対してウクライナはどのように対抗したのですか? ウクライナなりの戦略と戦術をわかる範囲でお教えください。

 確かなことはわかりませんが、ウクライナは最終確保地域を首都キーウ(キエフ)と定めて強固な防御配備を取り、首都に通じる北部ではチェリニヒウ(チェルニゴフ)やスームィ(スムイ)、東部ではハルキウ(ハリコフ)やドネツィク(ドネツク)、南部ではマリウポリなどの主要都市で、制空権を奪われた中で建物などに潜み障害物を利用した歩兵による対戦車戦闘、近接戦闘などにより抵抗し続けたと思われます。

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青と黄色のウクライナ国旗を掲げて走るウクライナ陸軍の自走砲(画像:ウクライナ軍参謀本部)。

 ウクライナは、首都だけは絶対に守り通すとの強い意思のもと、近郊エリアへの配備強化を行い、周辺地域での抵抗で首都の内部までの侵入を許さなかったことで、ロシア軍は当初目論んでいた短期決戦に失敗したと言えるでしょう。

 ウクライナは首都の防衛が成立している限り、各地での戦闘を止めることはないでしょう。ロシアはもともと実効支配していたクリミア半島や、南部ドンバス地方マリウポリを墜とせれば最小限の大義名分を達成したとして停戦に向かう可能性があります。

 しかし、ウクライナは領土を取られたままでは停戦に応じません。そのため、NATO諸国の支援を受けて南部ドンバス地方を始め、クリミア半島を反撃奪還して、そこで初めて停戦交渉に応じると考えます。カギは、それまでウクライナ軍が残存しているかにかかっていると言えます。

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コメント

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1件のコメント

  1. 日本も満州や外地では警察や軍人の家族はいち早く夜逃げして、軍隊が何もせず降参して置いてきぼりの在留邦人は侵略者(西ウクライナの懲罰部隊)や不満を持つ現地人等から略奪暴行をうけ、絶望した人々は自殺までした事実を忘れないように!
    私達母と従姉は一〇月二三日釜山から機帆船で広島県尾道に上陸三重県の母の実家にたどり着いたのは幸いでした。