空飛ぶレーダー「皿」から「まな板」へ世代交代 早期警戒管制機のゆくえ 空自機はどうなる?

アメリカ空軍が早期警戒管制機E-3の一部をE-7で更新します。世界中で運用され、空の番人ともなっているE-3ですが、初飛行から40年以上が経過。更新機は性能こそ向上しているものの、“その先”を見据えた開発も進んでいます。

各国で世代交代進む 性能はどう進化?

 E-3は就役後も数次に渡って改良が行われており、最新仕様のブロック40/45は、現在全世界で運用されているAWACSの中で、最も高い能力を持つと言われています。

 ただ、原型機のボーイング707は1982年に生産が終了しています。旅客機型の707の運用も2019年をもって終了していることから、予備や修理用部品の価格上昇などにより維持運用コストが高騰しており、運用国にとってそれが悩みの種となっていました。

 今回アメリカ空軍が一部のE-3の更新に充てることを決めたE-7は、ボーイング737-700をベースに開発された早期警戒管制機です。ただE-7はE-3より小型のため管制を担当する乗員の数が少なく、管制能力でもやや劣ることから、AWACS(早期警戒管制機)ではなく、AEW(早期警戒機)に指揮管制能力が付与されているという意味で「AEW&C」と呼ばれることもあります。

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E-3ブロック30/35仕様機の機内コンソール。2017年ソウルエアショーにて(竹内 修撮影)。

 E-3は機体背面に設置された回転式のロートドームにレーダーのアンテナを収容しているのに対し、E-7は機体背面後部に細長い板状の「MESA」レーダーアンテナを搭載しています。MESAレーダーはE-3のレーダーに比べて、前後方向の探知領域がやや小さいという短所を持つ半面、特定の範囲を高頻度で精密に捜査できるモードを使用した場合、ロートドームにアンテナを収容するタイプのAWACSやAEW(早期警戒機)に比べて目標捕捉率が3倍から4倍ほど高く、追尾する目標の情報更新も8倍から10倍ほど早いという長所があります。

 E-7はオーストラリア、韓国、トルコに採用されており、2019年にイギリスもE-3の後継機として導入を決定しています。

【「皿」→「まな板」】米空軍E-3の後継となるE-7 画像で見る

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コメント

5件のコメント

  1. E-3セントリーは

    ボーイング707をベースにして

    多数は

    エンジンを最新鋭のジェットエンジンに換装

    した機体もある

    しかし、世界で唯一

    航空自衛隊浜松基地に配備してる

    早期管制警戒機は、ボーイング767をベースにしてる!

  2. 「ボーイング737-300をベースに開発された早期警戒管制機です。」と記載がありますが、正しくは「ボーイング737-700」ではないでしょうか?

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  3. 日本が「E-3」欲しいです

    ボーイグが「ベースの707は生産終わるから

    767ベースはどう?

    ボーイグ767日本が15%担当してるからと

    それで

    E−3のシステムを767に移植した

    通称「E−767」結局

    アメリカ空軍は使用せず

    世界で唯一

    航空自衛隊が4機を採用

    1機555億円

    航空自衛隊浜松基地に配備

  4. やっぱ 使うんだね。わかってました。