空飛ぶレーダー「皿」から「まな板」へ世代交代 早期警戒管制機のゆくえ 空自機はどうなる?

アメリカ空軍が早期警戒管制機E-3の一部をE-7で更新します。世界中で運用され、空の番人ともなっているE-3ですが、初飛行から40年以上が経過。更新機は性能こそ向上しているものの、“その先”を見据えた開発も進んでいます。

旅客機ベースの「空飛ぶレーダー基地」早期警戒管制機

 アメリカ空軍は2022年4月26日、現在同空軍が運用しているAWACS(早期警戒管制機)E-3「セントリー」の一部を、ボーイングが開発したE-7「ウェッジテイル」で更新する方針を明らかにしました。

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アメリカ空軍のE-3早期警戒管制機(竹内 修撮影)。

 AWACSは戦闘機などに搭載されているものよりも強力なレーダーを搭載して高高度を飛行することで、地上設置型レーダーや艦載レーダーには探知できない水平線の向こう側を飛ぶ敵機なども含めたすべての飛行目標を早期に探知する能力を有します。その情報をもとに味方の戦闘機などへ攻撃の指示を与えることで、空対空戦闘を有利に進めるために開発された航空機です。

 アメリカ空軍も使用しているE-3は、世界初の実用AWACSで、量産初号機は1976年5月に初飛行しています。ボーイングのベストセラー旅客機「707」の航続距離延伸型707-320B「インターコンチネンタル」をベースに開発されています。

 E-3はアメリカ空軍のほか、イギリス空軍、フランス空軍、サウジアラビア空軍、チリ空軍に加えて、NATO(北大西洋条約機構)の共同運用機としても採用されています。各国のE-3は湾岸戦争(1991)やユーゴスラビア紛争(1991~2001)などで、有志連合やNATOの制空権確保に大きな役割を果たしました。現在進行中のロシアとウクライナの戦いにおいても、NATOのE-3にウクライナが支援されており、ロシア航空宇宙軍の制空権確保を困難にしている要因の一つとなっています。

【「皿」→「まな板」】米空軍E-3の後継となるE-7 画像で見る

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コメント

5件のコメント

  1. E-3セントリーは

    ボーイング707をベースにして

    多数は

    エンジンを最新鋭のジェットエンジンに換装

    した機体もある

    しかし、世界で唯一

    航空自衛隊浜松基地に配備してる

    早期管制警戒機は、ボーイング767をベースにしてる!

  2. 「ボーイング737-300をベースに開発された早期警戒管制機です。」と記載がありますが、正しくは「ボーイング737-700」ではないでしょうか?

    • ご指摘ありがとうございます。修正いたしました。

  3. 日本が「E-3」欲しいです

    ボーイグが「ベースの707は生産終わるから

    767ベースはどう?

    ボーイグ767日本が15%担当してるからと

    それで

    E−3のシステムを767に移植した

    通称「E−767」結局

    アメリカ空軍は使用せず

    世界で唯一

    航空自衛隊が4機を採用

    1機555億円

    航空自衛隊浜松基地に配備

  4. やっぱ 使うんだね。わかってました。